『天才バカボン』は、子供にとっての「微毒」と「微ブラック」が満載なのだ。
2018/01/11
天才バカボンBOX 1~7(7点7冊セット) (竹書房文庫)
息子にはいろいろなアニメを見せてきましたが、中でももっともお気に入りなのが、『天才バカボン』だというのが笑えます。
次点は『おそ松くん』。
両方とも赤塚不二男の作品だということが、
わが息子ながら、いいセンスしてると思います(笑)。
『天才バカボン』、『元祖天才バカボン』は1歳頃から見せはじめ、
3歳の頃には全話を制覇するまでにいたってます。
で、おりにふれてレンタルショップで任意の巻を借りて見せることを続けていますが、ほんと、バカボンパパのナンセンスな行動が滅茶苦茶ツボにはまるらしく、笑い声がたえません。
もちろん、『トムとジェリー』のような分かりやすいドタバタも大好きな息子ではありますが、『天才バカボン』を見ているときだけは、他のどのアニメを見ているときとも表情が違うのです。
心底嬉しそうな、「生まれてよかったぁ~」とでも言いそうな笑顔で見ています。
先日、レンタルショップに行ったら『平成天才バカボン』が並んでいたので、ためしに1巻だけ借りて返ったところ、むさぼるように観ていた。
いつもはバンドの練習に息子も連れてゆくのですが、「留守番してバカボン見るからいい」と言ってついてきませんでした。
息子をそこまで夢中にさせる要素があるんでしょうね、赤塚ワールドには。
親が子供に見せたいアニメとしては、おそらく藤子不二雄ワールド(それもFのほう)のほうがまっとうなんでしょう。『ドラえもん』とかね。
あとは、宮崎アニメとか。
でも、すべての子供が大人が「これなら子供にも無難なうえに夢もあるだろう」と思っている作品と相性が良いとは限らない。
赤塚ワールドにずっぽりとハマる子供だって多いんじゃないかと思います。
子供の好奇心は、まっとうで教育的な内容だけではなく、多少の「毒」や「ナンセンス」な要素にも敏感に反応しますからね。
ここの部分を大人の勝手な判断で封印しても良いのでしょうか。
さいわい、バカボンの世界は、子供にも安心な「微毒」と「微ブラック」の要素が良い按配で混入されていると思います。
だからこそ、息子は強烈にナンセンスな赤塚ワールドに惹きこまれているんじゃないかと思います。
そして、それは決して悪いことだとは思いません。
小学校時代の私が、ポプラ社の江戸川乱歩シリーズ全巻をむさぼり読んだのと、なんら変わらないことだと思います。
いつの時代も、どんな世代も、カタチこそ違えど、好奇心を刺激する「微毒」や「微ブラック」を求めているんだと思います。
そして、このような好奇心を失ってしまったら、毎日がつまんなくなるような気がしてなりません。
▼バラ売りはもちろんのこと、ボックスでも出ているんだね。
記:2006/02/05(from「趣味?ジャズと子育てです」)