やはりバルタン星人は美しい
2021/02/11
『バルタン星人はなぜ美しいか―新形態学的怪獣論―』という本が出ているほど、やはり、バルタン星人は奇跡的に美しい造形を誇る怪獣、いや宇宙人だと思います。
ウルトラマンのシリーズに登場する怪獣や宇宙人で、誰もが最初に思い浮かべるのがバルタン星人なのではないかと思います。
あの大きなハサミ、甲殻類を連想させるボディ。
全体的に引き締まったシェイプ。
「ふぉっ、ふぉっ」と不気味な笑い声。
バルタン星人は「ウルトラマン」の2話「侵略者を撃て」に登場する宇宙人ですが、このような特徴あふれるユニークな敵がシリーズの初期から早くも登場したことが、今後のウルトラシリーズの成功を決定づけたのではないかと思えるほどです。
その後、何度もウルトラシリーズに登場するバルタン星人。
(昭和の「ウルトラマン」だけでも、後に二代目、三代目が登場します)
何度も登場させたくなる気持ちも分かりますね。
ツルッとした観音様のようなウルトラマンに対し、ゴツゴツとしてスタイリッシュなシェイプを持つバルタン星人のその分かりやすい明確な対比は、「ヒーローのライバル」という位置づけを既に第二話から獲得していたのでしょう。
セブンには登場しませんでしたが、『帰ってきたウルトラマン』や『ウルトラマン80』にはバルタン星人は登場しました。
ただ、やはり、もっとも美しいバルタン星人は、「ウルトラマン」に初登場した第二話のバルタン星人だと個人的には思っています。
バルタン星人のデザインや外見は、最初に登場した時のものが最高で、後に登場するものになると美しいシェイプが劣化していると感じるのは私だけでしょうか?
もっとも『ウルトラマンパワード』に登場したサイコバルタン星人は、カッコ良いとは思いますが。
もう完全にトンガリ甲殻類ですな。
まあバリエーションとしては面白い解釈だと思います。
それにしても、バルタン星人は、すでに見慣れまくってしまっているために、あのカタチは当たり前だと思ってしまいがちですが、リアルタイムで最初に登場したバルタン星人の放送を見た人は、ものすごい衝撃だったのではないでしょうか?
なにしろ、不気味は笑い声とともに分身の術も使いますからね。
建物の中で、あんなカタチをした怪物が分身していたら、まるでホラー映画を観ているときのような恐怖を感じたのではないでしょうか。
そして、スリムなセミのような人型宇宙人の手の先っちょに巨大なハサミをくっつけちゃおうと考えた人の脳みその中はどうなっているんだろう?って考えれば考えるほど頭の中が四次元空間になってしまうのです。
記:2005/02/06