ヴァーチュオーゾ 3/ジョー・パス
含蓄溢れるフレーズの連続
ギター一本で、奥の深い演奏を平然とやってのける、好評『ヴァーチュオーゾ』シリーズの第3弾。
さすがに、有名スタンダードの演奏はやり尽くしたのか、はたまた飽きたのか、3枚目はパスのオリジナルの演奏が中心で構成されている。
従来のパート1、2とは微妙に趣きの違う世界が展開されている本作、彼のオリジナルの響きは、どこまでもマイルド&リラックス。
終始和やかな雰囲気だ。
ギタリストではない私は、とにかくリラックスした気分で聴いている。
しかし、ジャズギターを弾く人に言わせると、「なごんで聴いている? 冗談じゃないよ!」なのだそうだ。
つまり、ギタリストにとっては、トチりそうなフレーズや指使いを、苦労の片鱗も感じせずに、やすやすと気持ちよさそうに弾いているから、なのだそうだ。
ニコやかな笑顔を浮かべ、くわえタバコ一本で、軽くギターを抱えて奏でるているような趣きだが、そこには、深いところまでギターを掘りつくした男ならではの、含蓄溢れるフレーズの連続。
しかし、あくまでマイルドな味わい。
個人的には、やっぱり『1』が好きだけれども、『1』に比べると、よりカドがとれマイルドになった『3』の演奏も、なかなか捨てがたい。
記:2007/04/20
album data
VIRTUOSO 3 (Blue Note)
- Joe Pass
1.Offbeat
2.Trident
3.Nina's Blues
4.Sevenths
5.Ninths
6.Dissonance #1
7.Minor Detail
8.Paco De Lucia
9.Sultry
10.Passanova
11.Pasta Blues
12.Dissonance #2
Joe Pass (g)
1977/05/27 & 06/01