機動戦士Zガンダム~星を継ぐ者/試写レポート
2018/01/10
うーむ、こういう人たちにも試写状が配られていたのね、って感じ。
だって、いつもの試写会と、まったく層が違うんだもの。
業界の大物的な雰囲気を漂わせた年配の人がいないでしょ、
女性もほとんどいないでしょ、
それに、いつもはガラガラな試写室が満席!
いや、満席どころか、人が溢れてしまい、イスの数が足りないので、補助イスも出動していたぐらい。
いつもの試写会とはまーったく違う雰囲気でした。
ほとんど、20代、30代の男性(オレもだ)。
ほとんどが、メガネ(今日のオレもメガネだ)。
しかも、オタク度高し(オレもだ)。
くわえて、ボンクラも度高し(オレもボンクラ)。
秋葉原な匂いがプンプン(オレも秋葉原デパートのガンダム売り場は好きです)。
つまり、「映画」の試写会というよりは、「ガンダムな人」たちによる集まりって感じでしたね。
試写会場はかくのごときだったが、では、肝心の映画の内容はというと、人間の記憶もけっこう曖昧なんだなぁと思うと同時に、20年も経つと、ずいぶん記憶補正がなされているのだなぁと改めて感じましたね。
レコアさんの顔が、記憶以上に峰不二子だったし(笑)、
ギャプランって、こんなにカッコ良かったっけ?だったし、
アッシマーのモビルアーマー変形時の円盤部分ってこんなに肉厚だったっけ?だったし(もっともこれは描きなおしたのかな?)、
ライラ・ミラ・ライラって、あれ?こんなにふっくらしていたっけ?だったしと、
記憶と現実のギャップを楽しむことも出来ます。今回のゼータは。
だから、テレビでリアルタイムで全話観たぜぇ~ってツワモノの方も、楽しめると思いますよ。
覚えている人も多いと思うけれども、エマとカミーユとレコアがいるシチュエーションで、話題がシャアになった際、クアトロ大尉(シャア)が「あ、ああ」と曖昧に返事をするシーンがあるじゃないですか。
ここは、試写会でも「クスクス」と静かな笑い声がおこっていた。やっぱり、みんなこのシーンが好きなんだ、と思いましたね。
今回のZガンダムは、すべての映像が新しくなっているという噂をどこかで耳にしたんだけれども、どうやらすべてではないようですね。
もちろん、旧い映像にもエイジング処理は施されているらしいですが。
作中の80%以上が20年前のTV版の映像、残りが今回新にリメイクされた映像が挿入されておりました。
もちろん、新しい映像が少ないことが悪いことではありませんし、なんら不満はありませんよ。
うまくTV版を編集し(多少強引だけど)、かつ効果的に新しい映像を挿入しているなと思いましたからね。
しかし、20年という月日は長い。
『Z』より後に私は、『第08MS小隊』や、『エヴァンゲリオン』に『攻殻機動隊』、『マクロス・ゼロ』レベルのアニメの映像に慣れ親しんでしまっているわけですから、無意識に要求する映像クオリティが無意識に高くなってしまっているんですね。
記憶の中のZの映像と、実際の映像はかなりのギャップがありました。
え?こんなにZの映像って陳腐だったっけ?って。
きっと記憶が脳内で補正されていたんだろうね。
つまり、20年前のTV版の映像は、はっきり言って、今のアニメに見慣れた目で観ると、かなりシンプルというか単純なんですね、想像以上に。
画面全体に墨がかかったような感じに見え、低解像度で撮影したデジカメの画像を、大型ワイド液晶TVに引き伸ばして見たときのような、画面の粒子の粗さが若干気になりました。
だから、新しく挿入された映像とのギャップが著しいのですよ。
ま、画面の綺麗、汚いは瑣末な問題。
問題は本編が面白いかどうかだよね。
Zを知らずに、シードあたりでガンダムを知った人には、この作品はどのように映るんだろう?
記:2005/03/11