ソビエト戦車 KV-I C型 タミヤ1/35 制作記

      2021/12/07

少ないパーツ数でまとめられた好キット

さて、カーヴェイ・ワン。
KV-1(KV-1C)を久々に作りたいと思います。

どうしても、その砲塔の異様さというか威容さからは、同系列のソビエト戦車ですと、KV-II(KV-2 ギガント)のほうが人気というか脚光を浴びているような気がします。

ですが、KV-1も味わい深い戦車であることは間違いありません。

もしかしたら、KV-IIは、タミヤがドイツ兵がつけたニックネーム「ギガント」というあだ名でキットを発売していたことに対して、KV-Iは、KV-Iそのままの名前で発売されていたので、その差はあるかもしれませんね。

やっぱり相性って大事かもしれないなぁ。

なんたって、ヤクトパンサーも、いまだに私の中では「ロンメル戦車」のほうがシックリときますし、SASジープよりは、「ピンクパンサー」のほうに愛着を感じていましたからね。

それと同様、記号のようなKV-Iよりかは、「ギガント」という、なんだかタダゴトではなさそうな響きの戦車のほうがどうしても印象に残ってしまう、それはそれで仕方ないかもしれませんね。

作るのは、タミヤの古いキット、1/35スケールのKV-Iです。
C型ですね。

たしかB型も押入れの中にストックされていたと思うのですが、とりあえずは、Cから作ろう。

いつ見ても、そそられるパッケージですな。

KV-IIにもついている戦車兵のフィギュアの「よっしゃ、やったるでぇ!」な拳を握り締めたポーズが良いですね。

箱を開けると、こんな感じ。

KVシリーズは部品が少なくて、すぐに完成しそうな気分にさせてくれるところが良いですな。

しかも、1/48スケールと違い、パーツのひとつひとつが大きいので、「余裕を持って作れるぞ感」もハンパなくあります。

組み立て説明書です。

今回は冬季迷彩でいこうと思っていますが、先日、実験的にフィールドブルーを下塗りしたT-34もなかなか良い感じだったので、どんな色で仕上げるかは作りながら考えていきたいと思います。

組み立て

あっという間に組み立て完了。

昔よく作っていた「KV-II」と、ほぼパーツ構成が一緒なので、サクサク組み立てられました。

唯一の不満は、古いキットゆえ、バリ取りが少々面倒だったことぐらいですね。

仰角最大。

下塗り

サーフェイサーを吹いて、その後に筆塗りするタミヤアクリルミニの食いつきをよくしておきます。

最初に黒を吹き、次にマホガニーを吹いて、カマドコウロギのような色にします。

どうせ塗りつぶすので、この段階では、あまり色味は気にしません。

ガッツリ塗ろうとせずに、軽く色を乗せる感覚で吹いています。

基本塗装

いつもは、サフでプラスチックの地肌を覆ったら、タミヤのアクリル塗料を筆塗りするところですが、今回は、ダークグリーンをスプレーしてみました。

うっすらと残るサーフェイサーのマホガニーの色。
これがなんとも良い感じなんですよね。

とにかくスプレーは噴霧中は動かし続けること、止まらないことが綺麗に塗るコツだと思います。

缶を右から左、あるいは上から下に移動させながら噴霧すると、塗り残しが出来ますが、乾いた後に再び同じことを繰り返せば、2~3回でまんべんなく綺麗に塗れます。

私の場合は、ガッツリとムラなく均等に塗るのがイヤなので、缶を移動させながら、一回塗りで切り上げています。

だから、先に塗った色が浮かび上がるような感じになるんですね。

このムラムラなスプレー塗装は、車やバイクの塗装には向いていないですね。
戦車だからこそ生きるやり方なのかもしれません。

フィルタリング

冬季迷彩をするため、あまり下地の緑色の塗装に凝っても仕方がないのですが、それでも、ある程度のメリハリはつけておきたいです。

なので、軽くフィルタリングをかけました。

テレピン油(ターペンタイン)で薄く溶いたバーントシェンナを平筆で塗り、ティッシュで拭き取っただけ。

これだけでも、まあまあメリハリ、表情がついてくれます。

バーントシェンナは、チューブからパレットなどに出すと、一見、茶色っぽい絵の具に感じるのですが、けっこうオレンジの要素が強い色です。

まだ乾く前の撮影なので茶色っぽく見えますが、乾くと、かなりオレンジっぽくなります。

このオレンジチックな感じに違和感を感じる人は、バーントアンバーでウェザリングするほうが良いかもしれませんね。

冬季迷彩

いきなりKV-1の車輌に冬季迷彩をすると、ひどいことになりそうなので、まずは練習。

ガンダムのプラモのジャンクボックスより、台座みたいなものが出てきたので、それを使って今回やろうとしていることの練習をしてみました。

ダークグリーンを吹いた上に、Mr.ウェザリングカラーのマルチホワイトを乗せて、窪みにはラストオレンジをランダムに塗っていきました。

ちょっと白を塗りすぎて、白っぽくなりすぎたかな?という反省から、KV-1には、一気に白を盛り過ぎない方針でいくことにしました。

マルチホワイトをランダムにペタペタと筆塗り、ただし、一回の塗装で一気に白くしすぎない。

乾いたら再度塗装して白っぽくするところと、もうこれ以上塗らないところを適当に分けて、直感にまかせて、ビショビショと白を重ねていきました。

その途中で、デカールも貼っておきます。

ある程度白が乗ったら、兵士が乗ったり触ったりしそうなところは、石灰などで雑に塗られた塗料はすぐに剥げたり、こそげ落ちたりするので、溶剤と綿棒で白を拭き取り、地の色を露出させてみました。

正面から見ると、なかなか迫力ですね。

厚い正面の装甲で、ドイツ軍の弾丸をカツン、カツンと跳ね返しまくりそうな雄姿。

履帯のたるみ

履帯にたるみをつけます。

シャーシ側面にピンバイスで穴を開け(2ミリのドリル)、開けた穴に爪楊枝を刺しておしまい。

このままだと爪楊枝が下にさがってダレてしまうので、ガンプラのあまったパーツで持ち上げ、そのまま上から液体接着剤をドロドロ流して固着させます。

お気楽「たるみ表現」ですね。

完成!

いよいよ仕上げです。

履帯の塗装やドライブラシなど、気になるところをもろもろ修正。

シルバーやグレー系、そして茶色系の塗料を色々と水で薄めて流し込んだり、擦ったりしたのですが、やればやるほど汚くなってしまいましたね。

あとは、フィギュアを塗って完成!

フィギュアは手っ取り早く基本塗装+スミ入れ、乾いたら軽くドライブラシ。
以上!って感じです。

さっさと終わらせたかったため、気が急いていたのか、塗料を攪拌せずに、裏蓋についた塗料を筆先で掬って塗りました。だから、つや消しにならずにツヤツヤになってしまった箇所も……。

上から見ると、あまり目立たないんだけど。

そういえば、砲塔の側面なんですが、シルヴァリング(デカールてかてか)防止のため、軽くつや消しスプレーを吹いておいたほうが良かったかもね。

同時期に作ったKV-2と並べてみました。

フィギュアも立たせてKVブラザーズ。

とにもかくにも、組み立て1日、塗装1.5日ほどあれば完成してしまいますし、少ない手間のわりに、完成した時の充実感も大きいコスパの高いキットだと思います。

何個作っても飽きないので、今後もKV-II(ギガント/KV-2)とともに、作り続けていくであろうキットの一つです。

記:2019/11/18

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