M2A2スーパーブラッドレー制作記 タミヤ1/35

      2021/12/10

5分後の戦闘車

幻冬舎立ち上げの時に書かれた村上龍の『5分後の世界』という小説が大好きで、少なくとも10回以上は読んでいると思います。

created by Rinker
¥586 (2024/12/18 08:25:15時点 Amazon調べ-詳細)

5分進んだ時間が時計に表示されているパラレルワールドの日本、つまり、本土決戦をした日本は、いまだ戦闘国家として連合国軍(アメリカ軍)と交戦状態が続いているわけですが、そこに登場するアメリカの兵員輸送車・ブラッドレーが印象的でした。

UG軍(国民軍)には弱いけど、それ以外の兵士、たとえば塹壕で戦う兵士からは圧倒的な存在として描かれています。

タミヤからブラッドレー(スーパーやデザートではない普通のブラッドレー)が発売されたのは、私がまだ中学生の時だったと思いますが、当時購読していたタミヤニュースで新作のレビューを読んだ際は、いつか作りたい戦車(というか歩兵先頭車)のひとつとして記憶されました。

で、『5分後の世界』が新刊で出たときに読んで、再びブラッドレーに興味が湧き、それからしばらく後のことだと思いますが、模型店で新発売だった(ような気がする)「スーパー」がつくブラッドレーを買いました。

それがそのまま押し入れ行き⇒死蔵。
それはよろしくないので成仏させてあげないと。

全体を覆う装甲のぶつぶつとしたリベットは、スミ入れやドライブラシの良い練習になると思えば、どうして今まで作らなかったんだろうと過去の自分に疑問を抱いてしまいますが、きっと単純に「忘却」していただけなのでしょう。

というわけで、箱。

ボリュームたっぷりの迫力ボディに見えますね。
実際、そうなんだけど。

箱側面1。

箱側面2。

箱の中は、こんな感じ。

パーツ数は、それほど予想していたよりも少なく感じるのは、きっと車両内部の再現が省略されているからでしょう。

デカールです。

組み立て説明書です。

で、およそ3日ほどでかけて(ダラダラと)組み立てをし、缶スプレーで下塗りをしました。

いつものように、黒→マホガニー→ダルレッドの順のランダム乱れ吹きです。

塗装

全体のプラスチック地をつぶすことを目的に3色ほどスプレーを吹いたら(組み立て途中にスカート裏なども先に塗りつぶしています)、あとは念のため1日ほどかけて乾かし、その間、どのような色にしようかと考えました。

最初はNATO軍風の迷彩も良いかなと思ったのですが、今回はクレオスの水性塗料を使ってみることにしました。

ガンプラに塗ろうと思って買ったはいいけれども、まったく使用していないクレオスの水性ホビーカラーがケースの中に数色ねむっていたんですね。

タミヤアクリルはよく使っていますが、そういえばクレオスの水性でAFVを塗ったことは皆無。
だったら、今回は良い機会なのではないかと思い、ニュートラルグレー一色で塗ってみることにしました。

created by Rinker
GSI クレオス(GSI Creos)
¥510 (2024/12/18 08:25:16時点 Amazon調べ-詳細)

で、まずは、ささっと水で薄めてささっと塗装。

なんだかパンチのない眠たい感じになってしまいました。

グレーが乾いたら、タミヤアクリルのフラットブラックをランダムに吹き付けてみました。

そして乾いたらふたたびニュートラルグレーで塗装。

多少重量感は出たかな?

あとは、デカールを貼って、油彩でメリハリをつけて完成!

デカールはテキトーです。
余っていたブリュースターバッファローのデカールと、イギリス戦車(バレンタインかチャーチル)の余ったデカールを貼っています。

実際には、こんな塗装もマーキングもありえないのですが、これはこれで「ありえそうな雰囲気」は出せたような気がします。

デカールをリベットになじませるのには、マークソフターが威力を発揮してくれました。

マークソフターの液体が乾いて、デカールが模型表面になじむまでは、あまり綿棒でいじらず、気泡が出ていても放置しておいたほうが、結果的には密着度が高くなるように感じます。

車体上面を中心にアイボリーホワイト(油彩)でドライブラシをしています。

とはいえ、先日作ったジムIIIの時に使用した刷毛の毛先にまだ微量にホワイトが残っていたので、新しい絵の具をチューブから出さず、刷毛についたものをそのままシャカシャカとドライブラシしました。

リベットは基本的にはバーントシェンナで縁取り。

もう少し濃く縁取りしたいところには、その後バーントアンバーを混ぜて、再度縁取りしました。

この作業の後、面積広めの刷毛で模型表面を軽くなでて、油絵具をじんわりと模型の表面になじませていきました。

もっとも影になりそうな凹み部分のみ、薄く溶いたピーチブラックを重ねています。

側面のリベットの錆汚れは、ちょっと露骨すぎたかもしれません。

正面と側面のリベットにばかり気を取られて、後方の汚しが手薄になっていますね。

一見シンプルな形に感じますが、側面、正面、上から、後ろからと、見る角度が変わるだけで、かなり表情が変わるユニークな造形の車両だと思いました。

作りながら今後、改善すべきポイント、継続すべき新発見など、いろいろと収穫のあったキットでしたね。

それはそうと、このスーパーブラッドレー、先ほどAmazonを覗いたら、あらまあビックリ! 結構高値になっちゃっているんですね。

YouTube

動画もアップしています。

記:2021/03/13

 - 模型