サイレン/アジアン・カンフー・ジェネレーション
2022/05/27
バンドのヴォーカルの子が「この曲やりたいです」ともってきたのがアジアン・カンフー・ジェネレーションの《サイレン》。
最初聴いたときは茫洋とした、つかみどころのなさを感じた。
しかし、この焦点の定まらなさは、曲の中で流れるストーリーを俯瞰出来なかっただけのことだと数回聴いているうちに気が付いた。
要するに、能でいうところの「序・破・急」の流れが、この《サイレン》という曲の流れにダイナミックに宿っているのだ。
ミクロな目で捉えようとするのではなく、大きく俯瞰的に曲を「眺める」と、「背筋ゾクッ!」な瞬間が訪れてくる。
また、実際に譜面を見ながらベースで音を拾い、実際にバンドで音を合わせてみるうちに、次第にこの曲のスケールの大きさや、音の持つストーリーの幅のようなものを感じ、演奏することが、どんどん楽しくなってきた。
少々ぶっきらぼうなヴォーカルもグー。
このヴォーカルも慣れるてくると、独特の味わいがあってクセになるね。
曲の終わりに近づけば近づくほどクライマックス。
ライブで演奏するにはもってこいのナンバーだと感じている。
記:2005/01/15
2つの視点
シングルCDの『サイレン』には、《サイレン》というタイトルの同名異曲が、2曲収録されている。
オケは同じ。
しかし、メロディが違う。
歌詞が違う。
1曲目は男性。
2曲目は女性
の言葉で、歌われている。
女を救おうとする男の視点。
悲鳴を上げる女の視点。
双方の視線が合わさり、立体的な一つの世界。
なるほど、中々面白い試みだ。
もちろん面白いのは試みだけではなく、
楽曲としても充実した内容。
うちのバンドのヴォーカルの子が、
この曲、歌いたがってます(笑)。
ジャケットのイラストも、
趣あって良いよね。
記:2009/02/17