ザ・ポール・ウィナーズ・ライド・アゲイン/バーニー・ケッセル、レイ・ブラウン、シェリー・マン
3人の名手
うーん、やっぱり良いよね、この3人。
『ポール・ウイナーズ』の記事のほうでも書いたが、ひとたび彼ら3人の名手が演奏をはじめれば、どんな曲だっておいしく料理をしてしまう。
名手たちが繰り出す極上の演奏
たとえば、《ヴォラーレ》。
ドメニコ・モドゥーニョの歌唱で当時ヒットしていたナンバーを取り上げられているところなんかも、当時の世相を反映しているようで興味深いと同時に、あまりジャズでは演奏されないナンバーを、いとも簡単に、アッサリとジャズ化してしまっている手際の良さと憎らしいほどの余裕。
肩の力が抜けた余裕。
そして息の合ったコンビネーション。
どの演奏からも感じられる異常なまでの安定感。
そのまとまりの良さゆえに、物足りなさを感じるという人もいるかもしれないが(かく言う私もそうだった)、よく聴くと予定調和的でありながらも、3人の楽器奏者の独特な息遣いと、互いを気遣う音の交感を感じることが出来る。
これ、酸いも甘いもかぎ分けたジャズ通が、膨大な量のジャズを聴きまくった後に、戻ってくる安息の音なのかもしれない。
記:2010/10/07
album data
THE POLL WINNERS RIDES AGAIN!(Contemporary)
- Burney Kessel
1.Be Deedle Dee Do
2.Volare
3.Spring Is Here
4.The Surrey with the Fringe on Top
5.Custard Puff
6.When the Red, Red Robin
7.Foreign Intrigue
8.Angel Eyes
9.The Merry-Go-Round Broke Down
Burney Kessel (g)
Ray Brown (b)
Shelly Manne (ds)
1958/08/19&21