【三文日記】2000年6月

      2024/01/04

hijyouguchi

6/1(thu)

上司のいないスキを見計らって、仕事途中に会社を脱走、女房、息子とイタ飯屋で落ち合う。

シャンパンとサンジョベーゼ、オレンジのリゾット、赤ワインをドップリと漬けた羊の臑肉(滅茶苦茶旨い!)、デザートにオレンジのパンナコッタ、店特性のバースデイケーキなどで、息子1才の誕生日を祝う。

店の従業員にも最近人気の息子は、終始ご機嫌、特にデビュー直後の頃の田中麗奈似のウエイトレスさんが終始お相手してくれたので、大御機嫌の御満悦顔。

6/2(fri)

先日、復活した本田竹広のライブへ行った取引先の社長から、会場で買ってきた彼の新譜をいただいた。

一時期は脳血管障害で倒れ再起を危ぶまれていた彼だが、見事に復活、まるでカムバックしたアート・ペッパーを彷佛させるような、激しくダイナミックなピアノを聴かせてくれる。

この『ナウ・オン・ザ・ブルース』、一昨日から、繰り返し繰り返し聴いて、元気を貰っている。

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6/3(sat)

リンク集をリニューアルしている。

作業中に息子の乱入がはいるので、遅々として進まない。

前々から「ウマイ肉のカタマリ」を喰いにいこうと約束していた、E嬢と『つばめグリル』でベライヒ・オーバーモーゼルを水のように飲みながらアイスバインにかぶりつく。

6/4(sun)

久々にまとまった時間の取れた休日。

終日「かふぇもん」の更新作業と、ネットサーフィンでオモシロそうなページに当たりをつける。

息子の誕生日用のケーキを食い、近所のとんかつ屋でひれかつ定食と讃岐うどん。

6/5(mon)

今週末は久々に椎名林檎の「コピーバンド」の「立憲ポムドゥテール」の練習だが、まったく練習をしていない上に、最近は椎名林檎すら聴いていないことに気がつく。

そういえば、もう一つの椎名林檎の「カバーバンド」の「おにくやさん」は、先月閉店していたことを日記に書くのを忘れていた。

村上春樹『神の子どもたちはみな踊る』読了。

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6/6(tue)

「3」にしてくださいと伝えたにもかかわらず、相手は「1」だと思い込んで仕事を進めてしまうというバカバカしい事態は、どんなに気をつけたつもりでも時には起きてしまうもので、口頭だけではなく、メールとしつこいぐらいの確認のくり返し、そして相手を馬鹿だと思って話をすすめるくらいがちょうど良いのかもしれない。

J嬢とお茶の水の「魚河岸日本一」で寿司。

レヴィ=ストロース『神話と意味』読了。

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6/7(wed)

お茶の水のdisk unionにて、ラリー・ヤング、サイラス・チェスナットほか数枚のCDを購入。

発作的にラーメンを食いたくなったので、何人かに電話をするが、都合のつく人はゼロ。

たまには、こういうこともあるのだなぁと思いつつ、近所のラーメン屋で、一人大辛カレーラーメン。

6/8(thu)

トニー・ウイリアムスの『ライフ・タイム』では奔放でキレまくったオルガンを弾いているラリー・ヤングも、ブルーノートの初リーダー作、『イントゥ・サムシン』では意外なほど堅実で手堅いオルガンを弾いているなと思った。

ウイントンやブランフォード兄弟のバックではヤンチャに暴れまわるジェフ・ワッツとロバート・ハーストのリズムセクションも、ウイントン&ブランフォード兄弟のお父さん、エリス・マルサリスのバックでは、堅実で優等生なバッキング役に徹しているなと思った。

数日前から同窓会のため実家に帰っていた女房と息子が帰ってきた。

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6/9(fri)

村井康司『ジャズの明日へ ~コンテンポラリー・ジャズの歴史』読了。

60年代の新主流派の考察が興味深かった。

本日の仕事は午前一時に終了、終電もなくなったのでやりかけの仕事を徹夜で片付けてしまおうかと思ったが、疲れていたのでタクシーで帰宅。

6/10(sat)

深夜0時からの深夜パックを利用して林檎コピーバンドの練習。

夜食に蕎麦付きという面白いスタジオ。

《病床パブリック》《ストイシズム》《弁解ドビュッシー》の3曲を除いた『勝訴ストリップ』中の曲を合わせてみたが、難しい!

6/11(sun)

8月27日に上野・池之端の水上音楽堂にて、最近結成した不定期活動ジャズユニット「食用ムーミン」でライブに出ることが決定した。

時間のある方、見に来ておくれ。

女房と息子とイタ飯屋へ行きソアベ・クラシコ、ベーコンとズッキーニと茄子のピザ、シーフードのパスタなどを喰い、息子ははオレンジのリゾットをまるごと平らげて、デザートに南瓜のパンナコッタ。

6/12(mon)

昼は原宿のじゃんがらラーメン、渋谷のタワーでCD数枚購入。

夜はJ嬢と六本木で真希蕎麦。

日本酒と野菜、かき揚げ天、串の盛り合わせ、そして本日喰いたくて喰いたくて仕方のなかった真希蕎麦の4人前盛り。

6/13(tue)

淡々と仕事をしつつも、時計を見ると11時を回っていた。

夢中になっていると、詐欺のように時間の流れが早い。

フッサール著・長谷川宏訳『現象学の理念』を読んだ後、Y嬢と六本木で呑み。

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6/14(wed)

暗黒ブラック・ホール。

時間もハードディスクの中の消失した記憶も再生出来るのだろうか?

後ろ向きのマイナス・エネルギーを生み出すには、逆に膨大で桁違いなプラスのエネルギーが必要な気がしないでもない。

6/15(thu)

高円寺の「魚民」にて、出版関係者のミリタリー&プラモ好き人間同士で結成された会(後、“ゲゲゲの会”となる)の集会。

今日は各人の作ったプラモの発表会なのだが、作るヒマのなかった私は手ぶらで合流、といっても店に到着したのは11時頃だったのでほとんどいなかったのだけれど。

B芸S秋の宣伝部長の力作・「秋水」にヨダレを垂らし、S潮社の編集者の作りこまれたシュビムワーゲンのウエザリングの見事さに溜息。

6/16(fri)

某代理店の担当のお話によると、ライギョとブラックバスとコイを同じ水槽に入れて餌を与えると、一番意地汚くてバカなのがコイなのだそうだ。

ライギョやブラックバスは食べるのを休んだりしてメリハリをつけるが、コイに限っては、たとえば12時間餌をやりつづけると、12時間もの間、他の魚を押しのけてバクバクといつまでも餌を食い続けるのだという。

Y嬢と六本木で呑み。

6/17(sat)

息子と二人で秋葉原で行われているうちの会社の創刊誌のキャンペーンの様子を覗きに行った。

Mac館に寄り、店頭に何台もディスプレイされているiMacを、最近爽やかなトップぺージにリニューアルされたC98の「零壱界」に繋いで遊んだ。

白バックにリニューアルされていた「零壱界」は、うーん、怪しさ一転、爽やかさん。

6/18(sun)

息子と楽器屋へ『勝訴ストリップ』の譜面を買いに行き、ついでに息子にはサンタナ公認のボンゴを買ってあげた。

『雑想』でも紹介したスペース確保のためのCDケースの入れ替え作業を延々と。

ヒマを見てはその都度進めているこの作業、今のところプラスティック・ケース約400枚分のスペースが稼げているが、すべてのケースの入れ替えにはまだまだ時間がかかりそうだ。

6/19(mon)

岡崎昇裕『失踪する人々』(宝島社新書)読了。

『新説・写楽は四人いた!』(宝島社新書)の著者・村中陽一氏よりメールをいただき、驚くやら嬉しいやら。

本日は、音楽大好き低音反応息子に邪魔をされずにベースを1時間以上も練習出来た。

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6/20(tue)

本日創刊の雑誌の創刊記念パーティを紀尾井町ビルのレストランにて。

真鯛の白ワイン蒸しのうまいこと、うまいこと。

帰宅後、息子を振り回して遊ぶ。

6/21(wed)

健康診断。

また少し、背が伸びていた(笑)。

北原童夢『フェティシズムの修辞学』読了。

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6/22(thu)

ハワード・マギーの『マギー・バック・イン・タウン』をディスクユニオンで見つけた。

ジャケットのほのぼの具合、フィニアスニューボーン(p)リロイ・ビネガー(b)シェリー・マン(ds)というサイドメンの布陣、《ブラウニー・スピークス》や《柳よ泣いておくれ》などの選曲に惹かれ、購入。

ジャケット通りのリラックスかつ暖かいサウンドで、こういった「普通に良いジャズ」「日常的につきあえるジャズ」のアルバムが増えると嬉しいものだ。

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6/23(fri)

仕事のメドが11時ぐらいにつきそうだったので、たまにはH嬢と飲みに行こうかと思いH嬢の携帯に電話をしたところ、なんと、あの忙しくてほとんど家にいないH嬢が、ほとんど家にいない故に空き巣にまで入られたH嬢が、家にいてやんの……。

仕方なしにまっすぐ家に帰宅し、どうせ夕飯は用意されていないだろうから、近所のコンビニで夕飯を買い込んで帰宅したところ、ドリアや味噌汁など晩飯が用意されてやんの……。

結局本日丑三つ時の夕飯は、ビール、納豆巻き、カップヌードルのこがしネギしおとんこつ、ドリア、味噌汁、梅干し、ソーセージという珍妙な組み合わせ。

6/24(sat)

女房の実家の新築祝い。

かなり素敵な外装&内装の家になっていて、出張料理屋の料理人さんが目の前で作って出される料理の数々に舌鼓を打つ。

祝い金に拾万円也を包んだ俺ってリッチ…(涙)?

6/25(sun)

六本木バックステージにてオフ会。

珍しく一次会で切り上げ、女房&息子と行き着けのイタ飯屋で真鯛のグリル蒸しと数種類の香草と黒胡椒と赤ワインをドップリと漬けた数種のフルーツがトッピングされたジェラートなど(かなりウマイ!)。

本当は彼女の歌声などは聴きたくもないのだけれど、シーナリンゴ作詞・作曲・編曲・プロデュース・ジャケ写を手掛けている、ともさかりえ 『少女ロボット』ほか数枚のCDを購入。

オフ会参加者(HN表記) あんじゅ、イマムラ、AM5:30&AMファミリー(奥様、お嬢ちゃん、お坊ちゃまくん)、月光、こてこて、C98、東京ローズ、みよ、ちゃぁ、モリタ、ゆか、渡辺男爵

98

gekko

stage

zenkei

6/26(mon)

昼飯は原宿でこぼんしゃん全部入り、替え玉。

ここのところ少ない運動量のわりには栄養を取り過ぎな感じもして、実際鼻血が出そうになったり……。

晩飯は久々に白い御飯と味噌汁と漬け物と松前漬けで、あーウマイ!

6/27(tue)

メールマガジンを始めようと思っている。

大方の方針やコンセプト、企画も煮詰まってきたので、そろそろ細部のツメに取りかかることにする。

57年プレシジョン、忙しくとも出来るだけ毎日触れるようにはしているので、確実にカラダの一部になってきている感触が実感できて、少し嬉しい。

6/28(wed)

殺到する仕事で缶詰め状態のスーパーデザイナーO氏を、たまには六本木の飲み屋に拉致しようと思い立ち、青山の彼のデザイン事務所へ押しかけるが、仕事待ちの先客がいらしたので、あえなく退散。

独り「天下一品」でビール、ラーメン、餃子、チャーハン。

J嬢とバックステージで合流、閉店後「松兵衛」で飲み。

6/29(thu)

高校時代の一時期に書いていた日記を見つけ、読み返してみると中々面白い上に、今の自分の「核」となるようなものが既にこの時期にはっきりと形成されていることに気がつくが、よくよく考えてみれば高校以来成長が止まっているということか……。

いや、自分という幹や根っこの形成期が高校時代だとすると、現在はその幹にたくさんの枝葉がつきはじめた実りの時期と考えることにしよう。

ピーター・ペッティンガー著、相川京子訳 『ビル・エヴァンス-ジャズ・ピアニストの肖像』読了。

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6/30(fri)

徹夜覚悟の仕事も予想以上に早く片付いたので、0時前にはバックステージ着、I君も来ていて、朝まで飲み。

店の女の子と一緒に、せんこう花火やロケット花火を買い、店の前で「火遊び」。

夜の人通りの多い六本木の路上隅で輝くせんこう花火の弱々しくもはかなげな明かりは、なかなかシュールだ。

 - 三文日記