ウェザー・リポート『ブラックマーケット』ジャケットの真相

   

ウェザー・リポートを代表する1枚の『ブラック・マーケット』。

このアルバムのタイトルナンバーは、ジョー・ザヴィヌルが生まれ故郷のオーストリア、ウイーンで幼い頃に訪れた第二次大戦直後の闇市場をテーマにしている。

当然、ジャケットデザインもそのときの模様をザヴィヌルは提案した。

ところが、見ようによってはアフリカの黒人奴隷市場にも見えるようなイラストが出来あがってしまった。

個人的な思い出をこめてレコーディングをした大切なアルバムゆえ、ジャケットの修正要求をしたザヴィヌルだが、発売日の関係から修正されないまま世に出てしまったのだそうだ。

これで、ザヴィヌルは傷ついてしまったが、ウェザー・リポートのアルバムの中では最高のものだと自負していたとのこと。

ところで、この《ブラック・マーケット》という曲の主旋律は音色がとても心地よい。

メロディ以前に、そのメロディを奏でる音色にやられてしまう、ということがあるが、《ブラックマーケット》のアナログシンセの、暖かでなめらかな音色などがまさにそう。

もちろんメロディも素晴らしいのだが。

ザヴィヌルが奏でるこの主旋律を聴くだけでも、安楽、お気楽、ご気楽な気分になれる人、けっこう多いんじゃないかと思う。

>>ブラック・マーケット/ウェザー・リポート

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