ブルーセントー 青い英国陸軍巡航戦車制作記

      2023/02/17

巡航戦車クロムウェルの兄弟戦車

1/35スケールのタミヤのセントー作ります。

セントー⇒センタウルス⇒ケンタウルス。

ギリシア神話の半人半獣が愛称のイギリスの巡航戦車ですね。

巡航戦車といえば、クロムウェルを思い出しますが、クロムウェルから派生した戦車で、エンジンはクロムウェルと同じ。
ノルマンディ上陸作戦などで活躍した戦車のようです。

クロムウェルといえば、私、昔、シミュレーションゲーム(ウォーゲーム)で、『タイガーI』というものを持っていたのですが(たしかエポック社製)、その中のシナリオの一つに、ドイツのミハエル・ヴィットマンが率いるタイガー戦車部隊が、国道の路上で行列をなしているクロムウェル戦車隊をめためたに叩きまくるシナリオがあったのですね(ヴィレル ボカージュの戦い)。

実際に弟と、このシナリオに沿って対戦してみると、タイガー強ぇ!
というより、クロムウェル弱ぇ!(涙)って感じで、なんというか、高校生対小学生の戦いのようでした。

以来、私の中ではクロムウェルという戦車は「弱い」というイメージが刷り込まれてしまっていたのですが、後で様々な記事や文献に当たると、クロムウェルはそれほど弱い戦車でもなかったということがわかってきました。

ボカージュの戦いは、指揮官が有能で、かつシチュエーションがあまりにも英国軍にとっては不利な状況下だったということなのでしょう。

そのうえクロムウェルは、装甲や火力よりも速力や機動力を優先させた巡航戦車なのですから、タイガーのような重戦車に不意を突かれたらひとたまりもないわけで。

このクロムウェルをの兄弟戦車が、セントーなんですね。

ジム的、地味かつ堅実戦車

クロムウェルやセントーという戦車は、あくまで私の頭の中での位置づけですが、ガンダムのMS(モビルスーツ)でいえば、GM(ジム)なんですよね。

ジムって、弱いイメージがあるかもしれませんが、実際のところはバランスの取れた汎用性の高いモビルスーツなのですよ。

シャア専用ズゴックの爪でお腹をぶち抜かれたりもしており、そのあたりが「弱い」というイメージを決定づけているんじゃないかと思うのですが、それは、シャアはヴィットマン、ズゴックはタイガーIみたいなもので、ジャブローでズゴックを迎撃したジムが不運だったとしかいいようがありません。

ジムは、少なくともザクよりは高性能ですし、機体を動かす発想も、当時のジオンのMSの発想よりは一歩抜きん出ているところもあります。

しかし、イメージ的にはねぇ……。
なんか弱そうに見える。
それはそれで仕方ない。

そういうイメージがロムウェルにも重なるのですよ。

そして、そのクロムウェルに抱いたイメージが、そのままセントーに飛び火しているという、そんな感じの今日この頃なのであります。

ガンダムのMSでいえば、量産型ザコキャラでありながらも、ザクのほうがジムよりインパクトあるじゃないですか?

それって、全体的なスペックのバランスでいえば、セントーのほうが上回っていそうなのに、量産型ザコ的戦車でいえばT-34のほうが明らかにインパクトがあるのと同じかも(ま、T-34も強いですが)。

また、主役級メカのタイガーやキングタイガーに比べれば、明らかにセントーは見劣りしてしまいますが、だって相手は主役級メカであり、陸の王者という風格さえ称えた強力&戦車ですからね。ガンダムのようなものです。

なので、私の中では長年、クロムウェルやセントーは、脇役戦車的な位置づけが続いていたのですが、不思議なことに、年を取るとともに、そのようなメカにこそ愛着が湧いてくる。

大和、零戦、タイガーは子どもに任せて、大人はもっと彼らが輝く陰で、目立たぬかもしれぬが堅実な働きをしてきたマシンのほうにも愛情を注ぐだけの懐の深さと余裕が出てくるわけですよ。

なので、セントー。(なので?)

キットの中身

タミヤの1/35スケール戦車キットにしては、少々小さめな箱ではあるのですが、中身はぎっしり。

デカールはもちろんのこと、クリアパーツや白い糸、メッシュなども入っています。

ランナーを並べてみました。

光の加減で、いジャーマングレイにも見えます。
実際は、濃い緑なんですけど。

カクカクした、いかにも幼稚園児だったころの私がクレヨンで書いていたような「いわゆる戦車」というようなシルエットをしているからこそ、今回は派手に塗ろうと考えています。

アニメっぽい色で塗り、普通っぽい戦車のシルエットを個性派っぽく彩るのも面白いかな?などと考えています。

青だとしたら、ミディアムブルーではなくてキャラクターブルーかインディブルー。
赤だとしたら、マルーンや艦底色ではなくてモンザレッド。
緑だとしたら、ダークグリーンやオリーブドラブではなくてルマングリーン。

もはや、車かバイク?
目立ちすぎて軍用車輌じゃないよね~。

でも、まあ趣味で好き勝手できるプラモだからこそ許されるオリジナル塗装も良いのかな、などと思ってもいるわけです。

そんなアホみたいなことを考えながら、さて作り始めることにします。

記:2020/05/17

下地塗装は念入りに、基本塗装はあっさりと

タミヤ1/35セント―をサクッと組み立てて、キャラクターブルーで塗ってみました。

何を血迷ったか、青。

それも、アニメ色の強いキャラクターブルーを塗る理由は、単純に使い道のないキャラクターブルーのスプレーが余っているからということが大きいのですが、前の記事でも書いた、「アニメ兵器はリアル兵器のように、リアル兵器はアニメ兵器のように」塗るのが面白いと感じる私の天邪鬼的性格からくることが大きいです。

それと、このキットの大きな特徴の一つ、砲塔の目盛りの白を映えさせたいという意図もあります。

おそらく実際のアース系の色よりかは、白文字が目立つのではないかと考えました。

どうせ貼るなら目立たせたいというケチケチ根性が働いたりもしています。

キャラクターブルーのスプレーを吹き付ける前に、黒とマホガニーのサーフェイサーを吹いて、プラスチックの地肌が隠す作業をしています。

黒を吹いて、乾かした後に、まだ黒が乗っていないプラスチックの地肌があらわれているところをめがけて、今度はマホガニー。

これが乾いたら、再びプラスチックの地肌をめがけて黒、ということを数回繰り返し、とにかく露出したプラスチックの肌はまんべんなく繰り返します。

その後に、キャラクターブルーのスプレーをサーッと一回吹き。

ところどころに露出している茶色っぽい色は、ウェザリングをしたのではなく、サーフェイサーのマホガニーで、スプレーの青が乗っていないところがところどころ露出しているだけですね。

念入りに青で塗りつぶすと、おもちゃっぽくなってしまうので、キャラクターブルーに関しては一回吹きで終わらせ、わざと下地に塗ったサフの黒や茶が露出するようにしています。

同時並行でフィギュアもグレーのサーフェイサー、そして白のサーフェイサーという順で吹き付け、後々の筆塗り塗装の食いつきを良くするための下準備も整えました。

さて、青いセントー、ブルーセントー。

このままだと、かなりアニメアニメした雰囲気ですが、これにウェザリングをすることによって、本物っぽい感じを出していきたいと思います。

記:2020/05/22

デカール貼りにひと苦労

セントー巡航戦車が完成しました。

サーフェイサー、そしてキャラクターブルーをざっくりと吹いたらしっかりと塗料を乾かし、デカールを貼り付けました。

砲塔の定規のような数字と目盛りのデカールは細かく分割されており、砲塔の凹凸に合わせて穴が開いていたり、分割の仕方が適切だったりと、なかなかの新設設計ではあるのですが、なにしろ私が不器っちょですから、とにかく苦労しました。

砲塔のデカール貼りだけで1時間以上かかってしまったんじゃないかな。

しかも、ピタリと密着させることが出来ず、場所によってはデカールが微妙に浮いている個所も数か所出てきたりで、もう大変、大変。

全部剥がしてしまい、「この青い車両は数字とマス目の無いバージョンなんですよ」と心の中で言い訳をしようとも思いましたが、せっかくの苦労を無駄にはしたくないので、密着していない個所の違和感を少しでもなくそうと、クレオスのマークソフターを上からさらに塗りました。

一応貼る際にも塗ったんですけれども、気泡のような膨らみが出来た個所は、デザインナイフで気泡の個所を軽く突いて穴をあけ、さらに上からビシャッ!と浴びせました。

軟化剤であるマークソフターは、デカールを柔らかくする上に溶かす作用もあるそうなので。

午前中にビシャッ!とデカール上にマークソフターを浴びせ、夜中まで放置。

ほんの少しだけ、デカールの「浮き」が収まったようにも見えますが、やっぱり、なんか違和感だなぁ。

でもまあいいや。

汚しで誤魔化そうということで、次の工程に移りました。

油彩で汚し

まずは最初に、Mr.ウェザリングカラーのグレイッシュブラウンで全体にフィルタリングをかけました。

薄め液で希釈はしていませんが、幅の広い平筆で万遍なく塗る、というよりは伸ばしていきました。

その後、まだウェザリングカラーが半乾きのうちに、油彩で汚しをかけました。

全体的にはバーントシェンナ。

砲身や排気口などのスス汚れはピーチブラック。

アクセントとしてカドミウムオレンジを楊枝の先に微量取り、ランダムに車両の表面に点付けをして、筆で伸ばしていきました。

今回も、油絵具の量が多かったかなぁ。
なんだかとっても汚くなってしまいました。

全体的に赤茶まみれな感じなので、最後はもう少し引締めようと、アイボリーホワイトで出っ張った部分を中心にドライブラシをかけました。

油絵具は、乾くのが遅いので、失敗してもリカバーしやすいので便利でいいですね。

フィギュアは基本色をアクリル塗料で塗装した後、タミヤのスミ入れ塗料の黒を凹部分に流し込み、乾いたら、白の油彩でドライブラシをかけただけという簡単仕上げです。

証明の加減と確度によっては、ツルリと光ってみえるのが難。

乾いたら、つや消しトップコートを吹いたほうが良いのかしらん。

全体的にはオンボロな感じで汚れていても、なぜかデカールの上はあまり汚れていないというギャップ…。

いちおう、グレイッシュブラウンや、マルチグレーでデカールの上を塗ったんですけどね。
まだまだ甘かったかな。

車体上面は、けっこうのっぺりしているので、もう少しグラデーションをかけたほうが良かったかもしれません。

油彩のバイオレットグレーを使おうかどうしようか迷ったのですが、結局今回は使用せず。

とりあえず、砲塔の目盛りは目立ってくれたから、今回はそれで良しとしましょうかね。

なにしろ、セントーを買った理由って、ほぼ100パーセント「砲塔の数字と目盛りが気になる⇒作ってみたい!」でしたから。

部品の点数が少なく、比較的短時間で組みあがることも魅力のキットです。

もしかしたら、デカール貼りにいちばん時間がかかるかも?!

デカール貼りの良い練習になりますし、失敗したらしたで、最初からマス目や目盛りがマーキングされていない車輌ということにしてしまえば良いわけですし、とにもかくにも、短時間でいわゆる戦車っぽい戦車が姿を現すという点においては、初心者にもおすすめのキットなんじゃないかと思います。

今度作る時は、ちゃんとした色で、もっと上手にデカールを貼りたいです。

記:2020/05/23

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