東京大空襲に参加していたリヴァーサイドレーベルの社長
2021/02/17
リヴァーサイドレーベルの社長、オリン・キープニュースは第二次世界大戦中は空軍に徴兵され、1945年3月10日の東京大空襲に参加している。
死者8~10万、負傷者~11万名、罹災者は100万人を超えるという犠牲者数は単独の空襲では世界史上最大ともいわれる悪夢のような非戦闘員(民間人)に対しての計画的な殺戮だ。
東京大空襲に参加した爆撃機B-29は合計330機。
実際に爆弾を投下した機体はそのうちの280機体と言われているが、おそらくは帝都上空に襲来した280機のB-29の中の1機に搭乗していたのだろう
申し訳ないと思いつつも軍隊だから、戦争だからどうしようもなかったと後にキープニュースは述懐しているが、戦後も『ワルツ・フォー・デビー』をはじめとしたビル・エヴァンスの諸作や、『セロニアス・ヒムセルフ』など、セロニアス・モンクがもっとも脂の乗っていた時代のアルバムで日本のジャズファンのハートを爆撃しまくっているのだからたまらない。
ボンバー・キープニュース?!
しかし、実際の彼は、軍隊への所属や作戦への参加は不可抗力であり、それを除けばキープニュースの経歴は、コロンビア大学でジャーナリズムを学び、卒業後は編集者として出版社に雇われている。
リヴァーサイドレーベルが発表する音源の多くには、他のレーベルと一線を画するインテリジェンスを感じさせるムードがそこはかとなく漂っているのは、キープニュースの知性とセンスの賜物なのかもしれない。
記:2014/04/23