ダイアン/チェット・ベイカー
耽美、耽美。
でも暖かい。
『ダイアン』。
チェット・ベイカーとポール・ブレイのデュオです。
すべてを包み込むような暖かさと優しさ。
ポール・ブレイ特有のちょっと硬質感のあるピアノも、良い感じで息を潜めています。
よってマイルド、暖かい。
チェット・ベイカー、若い頃の勢いはないけれど、この微妙にヨレた感じも、なんともいえぬ味わいです。
その日暮らしのチェットにとっては、小遣い稼ぎの仕事の一つだったのかもしれませんが、出てくる音は表現者のモチベーションとは無関係。
どうしても耳にこびりつく。
それもエキセントリックではなく、柔らかく哀感をともなって。
本当の悪魔のささやきって、こういうもんかもしれませんね。
とにもかくにも、チェットにしろブレイにしろ、枯れかけてはいるけど、どこか瑞々しい。
▼収録曲
1.If I Should Lose You
2.You Go To My Head
3.How Deep Is The Ocean
4.Pent-Up House
5.Everytime We Say Goodbye
6.Diane
7.Skidadidlin'
7.Little Girl Blue
記:2015/09/28