バーでかかっていたレッド・ガーランドを聴いて、久々にマンハッタン
昨日は、珍しくあまりジャズを聴かなかった1日。
チャットモンチーを聴いて、そのあとマディ・ウォーターズ。
YA-KYIM聴いて、バディ・ガイ(笑)。
ふたたび、チャットモンチーで♪シャングリラした後に、渋くレッドベリー(笑)。
ふたたびYA-KYIM流して、ド渋な里国隆。
昨日は、一日中、頭と目を使いっぱなしだったので、ショートしないように、この緩急がちょうど良かったのですよ。
あ、あと、のだめ(上野樹里)の、おなら体操も、いい息抜きになった(笑)。
特に歌だけではなく、髪型や服装を登場人物(アニメではなくてドラマのほうね)そっくりの格好をした子供たちが踊る映像を観ながらのほうがバカバカしさ度が増してグー。
で、はぁ、なんとかひと段落ついたぁ、ということで、2時過ぎに晩飯を食べ、3時過ぎに行きつけのバーに行ったら、レッド・ガーランドが流れていた。
これぐらいの軽さとムードが、身体は全然疲れていないのに、頭と目だけが妙に疲れている私にはちょうど良い塩梅だった。
だから、ふだんはカクテル飲むにしても、辛口系、だいたいがマティーニとか、ギムレット中心の私だが、このガーランドの適度な軽さと甘さには、マンハッタンがふさわしいと思い、何年ぶりかにマンハッタンをオーダーした。
うまかったが、やっぱり口の中の甘さを締めたいと思うわけで、ギムレット、ドライマティーニという流れで、最後は大好きなノッカンドウをストレートで。
ショートグラスに入れられたカクテルは、時間をおかずに一気に飲んでしまうのが、バーテンに対しての礼儀。
なんたって、1分で温度が7度近くも上がってしまうのだとか。
とくにマティーニのように、冷たいパンチ感こそが命なカクテルを、だらだらと呑んでいてもカッコ悪いし、第一、ぬるいマティーニなんて、セクシーな水着を着た老婆のようなもの(笑)。
とても飲めるもんではアリマセン。
通は、だいたい3口でグラスを空けるというが、さすがに私は、3回では無理。
量にもよるが、5~6回といったところか。
銀座の毛利バーのマティーニになると、かなりの量になるので、10回近く、口にグラスを運んでしまうこともある。
まだまだ修行が足りまセン……。
それでも、よくバーテンから、「あいかわらず雲さん、グラス空けるの早いですね、わかってらっしゃる」と褒められる。
で、褒められるとうれしくなって、ついついまたオーダーしちゃうんだよな。オダテに弱い私。
最近は、バーボンからシングルモルトに好みがスイッチしつつある私だが、冷たいパンチの効いたカクテルを数杯飲んだ後のスコッチは、そのキメの細かさと滑らかさは、まるで白ワインのようだ。
特に、昨日は、ノッカンドウをストレートでオーダーしたら、ショットグラスではなく、グラッパを飲むときのような、ワイングラスをスリムに細長くしたような形のグラスで出された。
このグラスにそそがれたということもあるのかもしれないが、常温で、しかも絹のように滑らかな舌ざわりは、香りはまったく別ものではあるが、ワインのような感触だった。
すごく、飲みやすいシングル・モルト・ウィスキーのひとつだと思う。
その昔、北方謙三が、たしか『試みの地平線』で以下のようなことを書いていたことを思い出す。
自分はハードボイルド的な記号として、男の酒としてワイルド・ターキーをよく小説中に登場させるが、実際のターキーは甘くてメロウで、女性でも飲めるバーボン。
では、ほんとうに男の酒は何かというと、ノッカンドウだ。
「ノッカンドウを飲むと「棒」のような気分になる」というようなことが確か書かれていたと思うが、それも嘘なんじゃないかと思う。
ノッカンドウも口当たりのよい女性でも安心して飲めるウイスキーだと思う。
とてもじゃないけど、私はノッカンドウで「棒」のような気分になはなれない。
それとも、私がたんにノンベなだけなのか?
私が棒のような気分になるのは、じつは、カクテルのほうが多いかもしれない。
カクテルといっても、やはりマティーニなことが多い。
辛口のエクストラ・ドライ・マティーニなんか、最高ですね(笑)。
さすがに007のように、「ウォッカマティーニを。ステアせずにシェィクで」なんてセリフは言ってみたいけど、10年早い上に、恥ずかしいので試したことはないけど。
ベルモットとジンという2つの酒がミックス凝縮され、おまけにアルコールの濃厚さがひんやりとした冷たさをまとって臓腑を心地よく焦がしてくれるマティーニ。
これこそが、私にとっての「棒酒」なのかもしれない。
それも、うまいマティーニを飲んだときなんかは、ただただ呆然とするのみで、北方謙三言うところの「棒」な気分って、こういうことなのかなと、いつも飲むたびに思うのだ。
マティーニを飲んで棒な気分になりはじめると、さすがにレッド・ガーランドは軽い。
こういうときは、モンクの『セロニアス・ヒムセルフ』の、《ファンクショネル》や、《モンクスムード》を耳が求めるようになる。
いや、切に求める、といったほうが良いかもしれない。
朴訥なモンクに、エレガントなマティーニとは妙な組みわせかもしれないが、私にとっては、マンハッタンとレッド・ガーランド以上にシックリとくる組み合わせなのだ。
記:2009/03/12