海ジム(ふつうジム)制作記/RGM-79 ジム from 機動戦士ガンダム

      2021/02/12

よし、ジムを作ろう!

『ジム図鑑』をめくっていたら、ごくごく普通のジムを作ってみたくなりました。

関連記事:ジムがいっぱいジム図鑑~双葉社MOOK『MS図鑑 ジム』

ジムはバリエーションがめちゃくちゃ豊富なMS(モビルスーツ)です。

中には無理矢理増強したり、「ジムのくせに」無理矢理カッコ良くなった機体も少なくないんですね。

それはそれで良いのですが、時にはジム本来の弱っちさと情けなさ、だからこそ「ジムはいいのだ」という感じを久々に実感したくなりました。

だから、作ります!
ふつーのジムを。

考えてみたらHGのジム、作ったことないんですよね。
昔、息子が作っているのを見ていただけ。

参考記事:ジムの腕にビームサーベルがグサッ!

ジムの「絶妙に弱そうな感じ」を形成する要素は色々ありますが、まずは顔ですね。

バイザーのカタチと、ふっくらと丸っこい顔の輪郭のバランスから醸しでる「何かの苦痛に我慢している感じ」がイイんですね。

>>うなだれジム/MG 1/100 RGM-79 ジム

そして、もう一つの「絶妙に弱そうな感じ」の要素は、その配色にもあると思うんですよね。

白が基調のボディではありますが、真っ白なホワイトではなく、微妙に黄緑がかっている。

まるで蓄光塗料が塗られたプラスチックのような成形色なんですよね、ガンプラの場合は。

そして、ガンダムだったらブルーの部分の胸部の色が、ジムの場合は朱色っぽい赤。

これもまた「コストがかかっていない量産機です」感が漂っていて、たまらないんですよね。

で、今回はこの「蓄光塗料」と「朱色っぽい赤」を違う色に塗ったら、「絶妙な弱さっぽい雰囲気」を「絶妙に強そうな感じ」に変えられるんじゃないかという実験をしてみようと思います。

朱色を濃い青に。
蓄光塗料ホワイトはスカイブルーに。

そうしたらどれぐらい「見た感じの強さ度」がアップするのかを試してみたいと思います。

青の要素が増えるぶん、海っぽさが増す感じもするので題して「海ジム」。

そして、「海の近く専用ジム」の塗装で試してみたいこともあるし。

あ、詳しくは以下の記事をお読みください。

>>海ジム(ふつうジム)制作記/RGM-79 ジム from 機動戦士ガンダム

それでは、いよいよ作ります!
ふつうのジムを海ジムに!

箱の中

ジムの箱の中です。

パーツがはいった袋が2枚。
それと取説(取り扱い説明書/設計図)。

うーん、なんてシンプルなんでしょう。

最近作ったガンプラの多くは、パーツ多めなので、これくらいシンプルなパーツ構成のランナーを見ると、1日に千個作りたい!という欲求がメラメラと湧いてきますね(無理だけど)。

パーツ類

ジムのキットのパーツ類を並べてみました。

2枚のランナー。
そして、ポリキャップとシールと取説(取り扱い説明書/設計図)。

うん、シンプルすっきり、すぐに組みあがりそうな感じですね。

Aランナー

ジムのAランナーです。

多色成形のランナーですが、この色とカタチを見れば、このランナーに「ジムらしさ」が的確に集約されているように感じます。

Bランナー

ジムのBランナーです。

白というよりは、白っぽいグリーン。

この緑がかったボディの色が、ジムらしいといえばらしいのですが、その「らしい」の意味は「なんか弱そう」。

ま、色を変えたところで急激に強そうな外見に変化するというわけでもないのですが、逆にいえば、白っぽい白ではなく、絶妙にグリーンの要素が混ざることによって主役級のポジションから距離を置いた存在感を逆に醸しだしているのかもしれません。

ポリキャップとシール

ジムのポリキャップとシールです。

シールは胸のハッチの黒い箇所のみ。

ハッチのシール、これはたぶん貼らないと思うけど。

取説(取り扱い説明書/設計図)

ジムの取説(取り扱い説明書/設計図)です。

4色面その1。

1色面その1。

1色面その2。

4色面その2。

ガンプラの解説書には、そのMS(モビルスーツ)が活躍する名シーンが文章で紹介されているのですが、このジムの「名シーン」は、シャア専用ズゴックに撃破される直前の出来事が描かれています。

やっぱり、ジムが活躍、というよりも見る人の心にもっとも焼き付いているのはズゴックにお腹をぶっ刺されるシーンなんでしょうね。

「名やられ役」も戦いモノには必須ですから、ジムはその役割を十二分に果たした名機といえるでしょう。

調色レシピ

「ふつうジム」を塗装する際の塗料調色レシピです。

・本体等
 ホワイト:90%
 インディブルー:5%
 デイトナグリーン:5%

・胸部等
 シャインレッド:80%
 モンザレッド:30%

・胸部インテーク等
 イエロー:98%
 オレンジイエロー:5%

・関節部、武器等
 ニュートラルグレー:70%
 ミッドナイトブルー:20%
 ネイビーブルー:10%

・ビームサーベル
 蛍光ピンク:100%

・ビームサーベル(グリップ)、シールド
 ホワイト:100%

以上、取説(取り扱い説明書/設計図)より。

ま、今回は海ジムなので、上記塗料の配合は無視しちゃいますけど、いちおう参考までに。

サフ吹き・オキサイドレッド

ジムを海ジム色に塗装する前の下地作りをします。

そのためにサフ吹き作業(サーフェイサーを吹きつける作業)。

Aランナーには顔のバイザーのクリアパーツもあるので、そのパーツにはサーフェイサー吹きは不要です。

また、黄色いパーツは、プラスチックの成型色をそのまま活かそうと思うので、このパーツにもサーフェイサーは不要です。

なので、この2つはランナーから切り離しました。

切り離した後に、タミヤのオキサイドレッドのサフを軽く吹き付けました。

しゅしゅっと軽く1度吹き。

万遍なく全体を色で埋め尽くそうとはせず、ランダムに色が軽く乗ればいいかな?ぐらいの感じで吹き付けました。

イエローパーツにつや消しスプレー

ハンブロールや、タミヤのアクリル系やエナメル系の塗料ならまだしも、ラッカー系の黄色は筆塗りが難しい色のひとつです。

特に、クレオスのミスターカラーのイエローは隠ぺい力が弱いので、なかなか難しい。

だから、ジムの胸と盾の黄色のパーツは、無理して塗らずに成形色をそのまま活かそうと思います。

ただ、プラスチックのプラプラした質感はいまひとつなので、Mr.スーパークリアーを吹き付けました。

これで、少々しっとりした感じに。

1回吹いて20分ほど乾燥させ、再び2度目をスプレー缶を素早く移動させながら、しゅしゅっと吹き付けました。

黒サフ吹き

オキサイドレッドが半乾きの状態の上から、今度はAランナーとBランナーに黒いサーフェイサーを吹き付けました。

パーツを黒色で埋め尽くそうとはせずに、プラスチックの下地が残っているところを中心に軽く色が乗る程度にササっと。

まだまだ下地が残っている箇所も多いのですが、細かいことは気にしない、気にしない、一休み、一休み。

佐世保海軍工廠標準色をBランナーにスプレー

Bランナーに佐世保海軍工廠標準色を軽くスプレーしました。

この色を噴霧する目的は、あくまで、この上に塗るスカイグレーを塗りやすくするため、かつ深みを出すための橋渡し的な役割。
なので、缶を左右にゆっくりと移動させながら軽くシューッと1回のみスプレーしました。

マホガニーをAランナーの一部にスプレー

Aランナーの盾、ボディ、肩、そして足先のパーツが付いている箇所にマホガニーをササっとスプレーしました。

乾いたら盾の表面と足先には艦底色、肩とボディにはミッドナイトブルーで塗装する予定です。

スカイブルーを筆塗り

Bランナーにクレオスのラッカー系・スカイブルーを筆塗りしました。

サラサラに薄めて平筆で筆返しなしの一気塗り。

下地が見えても気にしない、気にしない。
というか、一回目の塗りで、まんべんなく均等に塗るのは無理ですから。

なお、ランドセル(ラッカー系)のみダークシーグレーで筆塗りしています。

Aランナーに黒鉄色をスプレー

Aランナーの盾、胸部、肩、足先以外のパーツに黒鉄色をスプレーしました。

うっすらと下地が見える程度に軽く噴霧。

この後にも色を乗せますからね。

コテコテに塗りつぶそうとしなくても良いのです。

Aランナーをジャーマングレーで筆塗り

Aランナーの一部をクレオスのラッカー系・ジャーマングレーで筆塗りしました。

丸筆にジャーマングレーを含ませた後に、ペーパータオルで拭き取り、毛先に残った塗料をパーツに擦りつけるように塗りました。

ドライブラシならぬウェットブラシ的な方法ですな。

ミッドナイトブルーと艦底色

分割したAランナーにくっついているパーツを塗装しました。

肩とボディはミッドナイトブルー。
盾の表面は艦底色で塗装しました。

いつものように薄めたラッカーを平筆でサプッ!と一回塗り。

Bランナーにスカイブルー+ホワイトを重ね塗り

スカイブルーを塗装したランナーが乾いたら、今度はスカイブルーにつや消しホワイトを混ぜて塗りました。

筆に含ませた塗料をキッチンペーパーで拭き取ってねりねりと置くように。

赤と青を重ね塗り

Aランナーのパーツ、艦底色で塗ったところは艦底色に赤を混ぜた色を重ね塗り、ミッドナイトブルーで塗ったところはミッドナイトブルーにキャラクターブルーを混ぜた色を重ね塗りしました。

筆に塗料をつけ過ぎず、軽く置くようにポンポンと。

Aランナーをジャーマングレイで重ね塗り

Aランナーのグレーのパーツをジャーマングレーで上塗りしました。

平筆にクレオスのジャーマングレーを含ませた後、キッチンペーパーで塗料を拭き取り、ドライブラシの要領で軽く色を乗せていきました。

ドライブラシならぬウェットブラシですな。

ランナーにスーパークリア―を噴霧

各ランナーにMr.カラーのスーパークリアー(つや消し)を吹き付けました。

1日乾かして、ミスターウェザリングカラーでフィルタリングをかける予定です。

顔の裏をカッパーで塗装

ジムの顔裏のパーツをカッパーで塗ってみました。

バイザーのクリアパーツの裏地として、通常だったらシルバーで塗るべきなのでしょうが、カッパーだとバイザーがどういう色に変化して見えるのか興味があったので、実験的に。

ステインブラウンでランナーをフィルタリング

Mr.ウェザリングカラーのステインブラウンでランナーについたままのパーツにフィルタリングをかけました。

専用うすめ液でステインブラウンを薄めて、幅の広い平筆で表面を塗りたくった直後にティッシュで拭き取りました。

均等に拭き取るのではなく、表面に茶色の要素が微妙に残るようにランダムに拭き取りました。

ラストオレンジでフィルタリング

いよいよ、Mr.ウェザリングカラーのラストオレンジの出番です。

これを使いたくてジムを買って作ったようなものです。

瓶の中にある玉をカランカランと降って、塗料を攪拌。
塗料皿に数滴盛った後に、丸筆で各パーツの窪みなどを中心にランダムにオレンジを塗るというよりは置いていきました。

海の潮風に当たって金属の上にサビが発生したての状態を表現できれば良いのですが。

おそらく乾いたらオレンジも薄れていくと思いますが、薄れたところは今後しつこく塗り重ねていくことで退色感&サビ発生初期症状感を出していきたいと思います。

足裏スラスターをドライブラシ

足裏の噴射口を焼鉄色でドライブラシをかけました。

筆についた塗料をペーパータオルで拭った後にしゅしゅっと表面を2~3度さすって、はい終了。

ボディの組み立て

ジムのボディを汚しながら組み立てました。

なんだか、ディジェの配色と似ていますね。

なんだ、私が思い描いていた「海ジム」の色って、ディジェの配色だったんだ。

ROBOT魂(Ka signature) 〈SIDE MS〉 ディジェ

それか、ユニコーンに登場したネモの配色もこんな感じだったような。

ま、いいや。
オレンジ汚しが似合うかどうかの実験が今回の主な制作趣旨だから、気にせずどんどん組んでいきたいと思います。

バックパックの取り付け

ジムのシンプルなバックパックです。

噴射口はメタリックレッドで塗装し、全体はMr.ウェザリングカラーのステインブラウンでフィルタリングしています。

ボディ部の背中に取り付け。

今はバックパックと呼ばれることが多いけれど、「ランドセル」と呼んでいた時代が懐かしい。

頭部の組み立て

ジムの頭部を組み立てました。

バイザーの見え方が少しは変わるかなと思い、頭部パーツの裏地にコッパーを塗っておいたんだけど、あんまり意味がなかったみたいですな。

ボディと合体。

色が変われど、ジムはジム。

このちょっと情けない感じは、やっぱりバイザーのカタチから受ける印象によるものなのでしょう。

ちょっちゅ汚し過ぎちゃんだったかな。

腰部の組み立て

ジムの腰部を組み立てました。

うーん、やっぱり汚し過ぎ。

でも、水色にオレンジの組み合わせは予想どおり。

腹、胸、頭部のユニットとドッキング。

だんだんジムっぽくなってきましたね。

脚部の組み立て

ジムの脚部を組み立てました。

初期サビオレンジ。
なんとなく目論見通り。

ちょっと汚いけどね。

で、腰部とドッキング。

足首の関節はまた後で汚すとして、足先の組み立てを急ぎます。

足先の組み立て

足先を組み立てました。

オレンジ汚しは少し多めに。

脚部とドッキング。

あとは腕と武具の制作のみです。

腕の組み立て

肩を切り抜き、腕を組み立てました。

オレンジでフィルタリングをかけながら。

ボディとドッキング。

だんだん完成が近づいてきましたが、手がないとマヌケな感じですな。

ジムの手

「ジム手」は3つです。

左手だけでも「パー」がついているのは嬉しいですね。

とりあえず、「グー」を取り付けてみました。

「パー」に付け替えてみました。

ジムの本体完成です!

スプレーガン

スプレーガンを組み立てました。

ジムに持ってもらいました。

ちょいと腰をひねって、ちょいと可愛い感じに構えてもらいました。

あとは、ビームサーベルとシールドですな。

ビームサーベルの柄

背中のランドセル(バックパック)に装備するビームサーベルの柄をランナーから切り出しました。

バックパックにぶっ刺して装備完了!

柄が一本だけだと忍者みたいに見えなくもないですな。

でも、その「忍者感」はドムにはかないませんが。

盾の組み立て

ジムの盾を汚しながら組み立てました。

裏側は、まだ潮風でサビサビ⇒汚ちゃない~!感が希薄なので、もうオレンジを足して少し汚さないとね。

あと、はみ出しも修正していかないと。

で、持たせてみました。

海ジムというよりは、ネモもどきなジムって感じですね。

完成!

Mr.ウェザリングカラーや、ウェザリングマスターを駆使して表面を汚しまくり、「まあ、このへんで手を休めようかな」と思ったあたりで、「海ジム」、完成ということに。

照明の加減次第では、ウェザリングマスターの粉っぽさが露骨に出ちゃったりもしています……。

ジムの後姿です。

今回の趣旨は、オレンジ色っぽいサビが出始めた海沿いのジムということだったので、本当はもっとオレンジ色でガシガシに汚していたんですよ。

ところが、メリハリのつき過ぎで、なんだかクドい感じになってきてしまったので、上からウェザリングマスターのオイルやサンドを塗りつけて、オレンジオレンジしたところを抑えた結果、なんだか控えめなオレンジ汚しになってしまいました。

それでも足回りやモモの付け根など、この辺から痛み出すんだろうな~ってところかは、オレンジオレンジさせていますけど。

大活躍していそうに見えるけど、それでもどこか頼りなさ気な雰囲気が漂う。

5秒後には何者かに瞬殺されていそうな雰囲気が常に漂っているところ、まさしく、それがジム。

カッコいいけど、そこはかとなく頼りなさ。

だからジムは良いのです。
だからこそのジムなのです。

もうちょっと「海」っぽさを出したかったんですが、忘れた頃にオレンジで再塗装をかけるかもしれません。

ひとまずここで筆を置きます。

記:2018/05/09

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