ゴング・イースト/チコ・ハミルトン

カチッとしたドラムにドルフィーがフィット

チコ・ハミルトンがリーダーのアルバムの音楽は、曲もアレンジも「構築的」なものが多いような気がします。

そこが、彼の良いところでもあり、ちょっと頭デッカチに感じてしまうところもあるのですが……。

彼のドラミングも、構築的な要素が感じられるので、同じドラマーでも、たとえば、エルヴィン・ジョーンズのように、時には小節をはみ出してまでも、ひたすらグルーヴするタイプとは異なり、あたかも、細かなパーツを精緻に組み合わせてパターンを構成していくように感じます。

だから、「カチッ!」とした印象を受けるんでしょうけど、この「カチッ!」とした要素に、エリック・ドルフィーの「うねっ!」とした生々しい肉声のようなウネりが加わると、あたかも、生命を持たない人形が、アンドロイドのように動き出す、そんな印象を抱いてしまいます。

ドルフィーのキャリア初期の演奏を楽しめるチコ・ハミルトンの『ゴング・イースト』。

このアルバムを好きな人は、ハミルトンのファンよりも、ドルフィーのファンのほうが多いのではないでしょうか?

ジャケットの銅鑼を見て、なんだか怪しいエキゾチックな中近東風のサウンドを連想し、ストレートアヘッドなジャズ(オーソドックスな4ビート)とはほど遠いのではないのかという先入観を抱き、長らく聞かず嫌いで遠ざかっていた自分が恥ずかしくなるような、非常にバランスの取れたアンサンブルと演奏を楽しめる内容です。

特に、ラストのビリー・ストレイホーンの曲がいいんですよ。
パッション・フラワーね。

これ名曲。
かつ、ハミルトンたちも良い演奏。

なぜか5月に聴きたくなる1枚。
もうそろそろ6月だけど……。

記:2015/05/30

album data

GONGS EAST! ()
– Chico Hamilton

1.Beyond The Blue Horizon
2.Where I Live
3.Gongs East
4.I Gave My Love A Cherry
5.Good Grief, Dennis
6.Long Ago (And Far Away)
7.Tuesday At Two
8.Nature By Emerson
9.Far East
10.Passion Flower

Chico Hamilton (ds, gongs)
Eric Dolphy (as,bcl,fl)
Nathan Gershman (cello)
Dennis Budimir (g)
Wyatt Ruther (b)

1958/12/29&30

ジャズ

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