ジャズ初心者には、まずはベスト盤を勧めてみたりする。
2021/02/06
邪道かもしれないけれど……
入門者の方から何から聞いていいのかという質問をよく受ける。
CDショップのジャズコーナーへ行くと、おびただしい数のCDが陳列されているので、初心者はどこから手をつけて良いのか分からなくなるのだと思う。
かく言う私自身もそうだったので、その気持ちはよく分かる。
中には、よっぽどのマニアじゃないと喜ばないような音源もあったりして、運悪くそういった音源を購入したがために、せっかくジャズを聴いてみようという気持ちが萎えてしまう可能性は充分にあると思う。
勿体ないことだと思う。
私は単なる一ジャズファンに過ぎないので、専門家や評論家の方が聞くと眉をひそめるかもしれないが、まずはベスト盤をお勧めしたいと思う。
好きなアルバムよりも、好きな1曲を探す
『20世紀ジャズ』のようなベスト盤をとにもかくにも1枚購入してしまおう!
私自身、このようなベスト盤を懸賞で当てたり、CDショップからサービスで貰ったものをを数枚持っているが、これらに耳を通した限りにおいては、誰もが認める名演と呼ばれる素晴らしい演奏がバランス良く編集されていたと思う。
アルバム単位で聴くことにこだわる人も多いことと思う。
確かにアルバムの中の選曲には流れがあるし、昔からミュージシャンやプロデューサーともに、演奏内容だけではなく、選曲のバランスにも心を砕いていることは確かだ。
また良いジャケットはアルバムの中の雰囲気とそのまま一致しているので、中身とジャケットは切っても切り離せないものだと考えている人も多いことと思う。
確かにその通りだと思うし、私自身も実はその考え方に近い。
しかし、広大なジャズの世界、まずは全体を軽く俯瞰してみるのも悪いことではないのではないか?
もちろん1枚のベスト盤ではジャズの世界をカバーしきれるものではないが、1枚だけ何かジャズのアルバム買うのであれば、まずは様々なジャズ万の様々な演奏が納められているアルバムに耳を通してみる方が、ジャズの楽しさ、奥深さを多面的に掴めるのではないかと思う。
もし、一通り耳を通して全く興味が湧かなかったり、心に響くものが何もなかった場合は2000円前後の出費で、どうも自分はジャズに馴染めないないということが分かるのだから安いものではないか。
何枚もアルバムを購入した後に、「やっぱり自分はジャズには向いてないや」と気がつくよりもよっぽど良い。
ケチな話かもしれないが、時間もお金も浮くし。
なにも、誰も彼もがジャズを聴かなきゃいけないなんてことは全くないのだから。
あるいは、しばらく寝かせておいて、数年後に聴いてみたら初めて素晴らしさが分かるということもあるかもしれない。
「取りあえず1枚のベスト盤を何でもいいから買ってみよう」。
これ、初心者に対しての一つの提案です。
(メルマガ2001年3月12日配信号より転載)
追記
最近発売された『ジャズの100枚。決定版BEST』という2枚組なんか、かなりお勧め、イイんじゃない?
笑ってしまうほどの名曲、名演揃いです。
(・∀・)b
なにせ、収録曲が……。
disc1
1. 枯葉
2. ワルツ・フォー・デヴィ
3. イパネマの娘
4. セイ・イット
5. ユード・ビー・ソー・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥ
6. モーニン
7. 酒とバラの日々
8. マイ・ファニー・ヴァレンタイン
9. クライ・ミー・ア・リヴァー
10. カンタロープ・アイランド
11. ザ・サイドワインダー
12. フィール・ライク・メイキン・ラヴ
disc2
1. セント・トーマス
2. クール・ストラッティン
3. ラヴァーズ・コンチェルト
4. 波
5. おいしい水
6. ソウル・ボサ・ノヴァ
7. ザ・キャット
8. スターダスト
9. 時の過ぎゆくまま
10. ナウズ・ザ・タイム
11. マック・ザ・ナイフ
12. ミスティ
13. この素晴らしき世界
ジャズ聴きからしてみれば、おもいっきりベタな選曲。
しかし、ジャズ入門者からしてみれば、未体験の感動が封印されているといっても過言ではありません。
記:2015/10/17