ジャズの愉しみ色々
LITTLE JAMMER PRO. 専用ゲストプレイヤー 美空ひばり ジャズを唄う
ジャズの愉しみ色々
Jazzを趣味に持つと、本当に様々な広がりが生まれてきます。
とくに日本は世界にも類を見ないほどのジャズ大国。
ジャズに興味を持ち、ジャズにまつわるやりたいこと、楽しみたいことが明確にありさえすれば、本当に色々な楽しみ方を享受できる素晴らしい環境だと思います。
というわけで、ジャズを媒介とした楽しみ色々を列記してみます。
名盤、最高傑作と呼ばれるCDが廉価で購入できる。
地方在住で、ショップが近所にいという方もネットで気軽に購入できる時代になりました。
まずは、名盤と呼ばれているものを中心に聞いてゆけばよいのですが、好みの幅を広げたいときは、意外とオムニバス盤(ベスト盤)が役に立つこともあります。
まずは、大量にジャズの「名演」を聴き、自分が好きなエリアを見つけると良いでしょう。
楽器をたしなむ喜び
最近は生徒よりも教師の数のほうが多いのではないかと思うほど、音楽教室が充実しています。
ピアノ、ジャズベース、ウッドベース、ジャズギター、サックス、トランペット、ボーカル、クラリネット、トロンボーン、はたまたウクレレ……。様々な楽器の教室があります。
教師も実力にあわせて親切なレッスンをしてくれるはず。
最初は楽譜が読めなくとも、コードから覚えていけば、自分の実力に応じて、実力相応の「ジャズっぽい」表現をすることも可能。アドリブも自然ととれるようになってきます。
独学で楽器も出来る
最近はスコアや教材もたくさん発売されていて充実しています。自宅で、自分のペースで練習することも楽しいものです。
昔、ギターで弾き語りをしていた人は、それぐらいの気軽な感覚で取り組めばいいと思います。
『アダルトピアノ』という書籍もあるように、40歳のおじさんが独学でジャズピアノをはじめて飲み屋でモテたという逸話の本もあるほど、クラシックに比べれば、ジャズは敷居の低い音楽です。
店で楽しむ
バー、カフェ、クラブなどでかかっている率の高い音楽がジャズ。
酒とともに、しんみり楽しむのも良いですね。
家で聴くよりも、こういうところで流れているジャズのバラードのほうが深く心に染みます。
ライブを楽しむ
生演奏はやっぱりいいですよね。
青山の「ブルーノート」や、丸の内の「コットンクラブ」のようなディナーも同時に楽しめる高い店もありますが(来日アーティストが多いですからね)、チャージ1000~2000円ほどの安い料金の店は探せばけっこうたくさんありますよ。
演奏アーティストの知名度は有名どころよりはないかもしれませんが、それでも、お金をとって演奏している以上、彼らとてプロ。ヘタなジャズ演奏を聴かされる確率はそうとうに低いはずです。
店によってはアマチュア演奏家を招いたジャム(ジャムセッション)を催しているところもあります。
早稲田、京大、東海大学のジャズ研の学生などは、けっこうレベルの高い人もいたりするので、彼らの演奏に接してみるのも一興かと。
CDだけでは分からなかったジャズマンのアドリブも、目の前の演奏に接すれば「なるほど、こういうふうに即興し、アドリブしているのか」と、ストンと分かり、楽しめるようになれるかもしれません。
これを体験した上で、自宅で再度CDを鑑賞すると、わけのわからなかったフレーズに親しみが湧いてくるかもしれませんよ。
スタンダードの愉しみ
長い間演奏され続けてきたスタンダードナンバー、名曲。
好きな曲を見つければ、一気に楽しみが広がります。
たとえば、《枯葉》《サマータイム》《スターダスト》という曲などは、ピアノトリオから、ヴォーカル、ビッグバンドまでと、様々なアーティストが様々な編成、アレンジで演奏されつづけている名曲。自分が好きな曲を1曲でも見つければ楽しみも一気に増大!
幅広いジャンルを享受できる楽しみ。
一口にジャズといっても、様々なスタイルがあります。スウイングから、フュージョン、ファンクの要素の強いものなど様々。
今までの自分に馴染みのあるジャンルに近い肌触りの音から触手を広げてゆけばよいのではないかと思います。
ボサノバに親しんでいた人は、比較的ジャズの世界にサクッとスイッチできるようですね。
また、特に日本人はピアノ・トリオというフォーマットを好み、トリオという形に好みが落ち着いてしまう傾向もあるのですが、臆せずにビッグバンドや、管楽器入りのジャズも聴いて好奇心の枠を広げていきましょう。
映画・映像の愉しみ
ジャズと映画は相性が良いです。
映画の視聴も大きな楽しみの一つ。
ジャズを題材とした映画、ジャズがサウンドトラックのもの。ジャズが映画に混入されるだけでも、それだけで映画の格調が1枚上がったような錯覚を覚えるので不思議です。
最近はDVDも充実してきているので、自宅で気軽に楽しめますね。
また、YouTubeで、まずは気になるジャズマンの演奏姿をチェックするのもお金がかからない上に、楽しい暇つぶしにもなります(笑)。
ジャズ喫茶の愉しみ
店の数は減ってきてはいますが、都内には「メグ」「イントロ」「いーぐる」といった硬派なジャズ喫茶が生き残っています。このような店に足を運び、マスターを話しをしてみるだけでも、ジャズ好奇心が広がること間違いなしです。
読書の愉しみ
ジャズの入門書はたくさん出ています。多くのタイトルには「入門」という言葉があるように、初心者向けに書かれた本が多いので、気軽に紐解き、少しずつジャズの知識を仕入れてゆけばよいのではないでしょうか。
村上春樹もジャズの本書いていますし、彼は昔「ピーターキャット」というジャズ喫茶のマスターだったことも有名ですね。
また、雑誌に掲載されているオススメCDを店頭で試聴するのもなかなかお金のかからない楽しみ(笑)。
CD屋巡り
ディスクunion(ユニオン)や、大阪のミムラのようなマニアックな店から、TOWER RECORDS(タワーレコード)、HMVなどの大型店など、ジャズを目的としてぶらつく店はたくさんあります。
店員の手書きのお勧めCDのPOPの文章を読むのも面白い。
中古コーナーもある店では思わぬCDが思わぬ値段で売られていることもあるので、一度はまるとなかなか抜け出せないクセになってしまうので要注意!
また、廉価で売られている中古レコードを買ってしまうと、レコードの良さに目覚めてしまうかも?
ジャズグッズ
グッズも追求しはじめるとキリがありません。最近だとジャズを演奏する人形、リトル・ジャマーなど楽しいアイテムも出ています。
これ、結構見ているだけで楽しく、時間を忘れます。
ベースラインを追いかける楽しみ
これはベースをやっている人のマニアックな楽しみかもしれませんが、ベースを追いかけると、結構ジャズの演奏って見えてくることが多いのですよ。
とくに、ジャズはリズムだけで聴けてしまうところもある音楽ですから。
黒人と白人のリズム感はどう違うか、みたいな目線をもつと、おのずと自分の好みがハッキリしてくることもあります。
ベースがこう弾くとピアニストはどう反応するのか?みたいな聴き方も面白いですね。こういうことが分かってくると、さらに楽しみが深まります。
写真・イラスト
ジャズマンの写真って絵になっているものが多いですよね。また、ジャズを聴いて湧いてきたエネルギーをイラストにしているという絵が趣味の方もいらっしゃいます。
耳だけでなく、目の刺激にもなるのがジャズという音楽の素晴らしいところです。
それに、ブルーノートなどのジャケットは、アートそのものといっても過言ではありません。
ジャズを聴く人がいなくても、多くのデザイン事務所の本棚には、ブルーノートのカバーアート集があることも、その証です。
レストランや結婚式で流れる曲名が分かってくる
なにげなく耳にはいりこんできたBGMの曲名が分かると嬉しいですよね。
ただし、「今の曲はテイクファイヴという5拍子の曲で……」みたいなウンチク魔になると嫌われるので要注意!(笑)
などなど、まだまだ色々とジャズの愉しみ方はたくさん!
皆さんご自身で、自分だけの楽しみをたくさん見つけてゆこう!
記:2009/07/02