バド・パウエルが弾く《ジョー・ドゥ》

      2021/02/08

《ジョー・ドゥ》といえば、代表的な名演は、クリフォード・ブラウンとマックス・ローチの演奏が代表的名演と言って良いでしょう。

では、この名曲をバド・パウエルが弾くと?

『バド・パウエル・イン・パリ』の演奏をお聴きください。

強いタッチによる芯のあるピアノ粒立ち。

後期の演奏ゆえ、前期のパウエルのアドリブように才気ばしった閃きはないものの、不思議に最後まで耳を離せない魅力があります。

これは、ドラマーのカンサス・フィールドのドラミングがいけないと思うのだけれども、演奏のテンポがどんどん遅くなってゆく。

このことは、後半のテーマが終了した直後に、前半のテーマにバックして聴き返してみると、ビックリするくらい演奏の出だしのテンポが勢いあるのです。

曲が終了した後にリピートしてみると、え~、こんなに速いテンポだったっけ?と驚くこと必至です。

どんどん失速してゆきながらも、それでも、傾聴に値する不思議なテンションを保っているのは、後期パウエルならではの不思議な味わいといえるでしょう。

▼レビューはこちらです。
バド・パウエル・イン・パリ/バド・パウエル

記:2016/02/02

 - ジャズ