セロニアス・モンク特集!油井正一の「アスペクト・イン・ジャズ」

   

モンク特集!

4/30のPCM放送で再放送された油井正一氏の名番組「アスペクト・イン・ジャズ」は、セロニアス・モンク特集だった。

いやぁ、待ってました!

って感じ。

私、モンクは好きなピアニストの3本指に入るほどだし、以前はモンクのサイトを作っていたこともあるぐらいだし、モンクをテーマにした【音聴き会】を2度にわたって開催したこともあるぐらいのモンク・フリーク。

ひととおりモンク参加の音源には耳を通しているし、関連書籍もずいぶん読んだ。

つまり、モンクに関しては一通り以上の知識と愛着は持っているつもりなんだけれども、じゃあ、そのモンクを油井先生はどう解説してくれるのか、というのが興味の対象だった。

素晴らしい内容

結果は……、というと、予想以上に良かった。

やっぱり、自分の意思でモンクを選んでかけるよりも、人に選んでもらった音源を聴くほうが楽しいね(笑)。

私が【音聴き会】で取り上げたような順番、かつ、選ばれたアルバムもほぼ同じという嬉しさがあり、それでも、アルバムは同じでも取り上げる曲が微妙に違ったりと、なかなか楽しめる1時間だった。

さらに、モンクというミュージシャンの音楽的な系譜、音楽家としてのヒストリーも、1時間の中にうまく収められており、はじめてモンクに入門する人には、この番組を1時間聞かせれば、モンクに関する基礎知識は、まずはOKなんじゃないかと思う。

セロニアス・ヒムセルフ

なかでも、油井さんが取り上げた中で、私が一番嬉しかったのが、『セロニアス・ヒムセルフ』、これを選んでくれたのがまず嬉しかったし(ピアノソロの最高傑作なのだから当たり前といえば当たり前なのだが)、その中から選ばれた曲が《ファンクショネル》だったということがとても嬉しかった。

>>セロニアス・ヒムセルフ/セロニアス・モンク

なぜなら、このアルバムの中では、私、この曲が一番好きだから。

その解説も、

「少し長い演奏ですが、たいへんな、(少し間をおいて)いい!ブルース演奏であると思います。お聞きいただきましょう。セロニアス・モンクのオリジナルブルース《ファンクショネル》」

と、短いコメントではあるが、この曲を始めて聴くリスナーには、「よ~し、聴いてみよう!」と思わせるに充分なコメントではある。

いつも思うんだけど、ただジャズを聴くよりも、その前にたった一言でもコメントがあったうえで演奏が流れたほうが、耳の集中力が全然違う。

実際、この《ファンクショネル》なんかは、学生時代に、「難解な『セロニアス・ヒムセルフ』を100回聴こう週間」を勝手に設けて、勝手に実行していた私なので、どんなに少なくとも100回以上は聴いているはずの演奏なんだけれども、油井さんの、
「少し長い演奏ですが、たいへんな、(少し間をおいて)いい!ブルース演奏であると思います。お聞きいただきましょう。セロニアス・モンクのオリジナルブルース《ファンクショネル》」という前置きがあったおかげで、まったく新しい音として聴くことが出来た。

不思議なんだけれども、一人で聴くのと、今、この時間に同じ《ファンクショネル》を共有している人がほかにもいるんだ、と思いながら聴くと、聴こえ方も違うし、耳の集中度もまったく違うんだ、

そんなことを思った4月30日の「アスペクト・イン・ジャズ」の再放送でありました。

記:2008/05/03

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