ソニー・クリス・カルテット・フィーチャリング・ハンプトン・ホーズ/ソニー・クリス
軽快クリス!
さくさくと快進撃!
そんな表現がピッタリの、スピード感あふれるクリスのアルトサックス。
快速、快速、歯切れが良い!
ハンプトン・ホーズのパキパキとメリハリの効いたピアノも小気味良い推進剤となっている。
出だしの《ザ・ファースト・ワン》。
ロリンズ作曲の《オレオ》と同じく、《アイ・ガット・リズム》が土台となったコード進行、いわゆる「B♭循環」のなんの変哲もないジャムセッションなどで演奏される素材となる典型的なコード進行のナンバーだ。
しかし、ありふれた素材でありながらも、ものすごく美味しい料理に仕上がっている。
アマチュアサックス奏者はもとより、ピアノを弾いている人にとっても、このアドリブのメロディラインは格好な練習素材となるのではないだろうか。
もう出だしのこの一曲から掴みはばっちり!
後に続くナンバーも一気に聴きとおせてしまう。
べったりとし過ぎず、乾きと潤いのバランスが見事な《イージー・リヴィング》と《柳よ泣いておくれ》にも聞き惚れてしまう。
クリスのアルトはどこまでも気持ちよく歌う、歌う。
とめどめもなく次から次へとわき出てくるフレーズ。
そして長すぎず、的確な長さにまてめてゆく構成力。
これぞまさしくジャズの快感!
ジャズに詳しくない人でも気軽な気分でノリノリ、ジャズ通も唸る細部にわたって充実した演奏力。
特にエポックメイキングな新しい試みはなされてはいないにもかかわらず、ある意味平凡な選曲と演奏でここまで聴かせられる内容に仕上げてしまうクリス、ホーズたちの力量には感服!
フレッシュサウンズらしい編集と内容の、バランスの良い内容の1枚です。
記:2004/07/14
album data
Sonny Criss Quartet Featuring Hampton Hawes 1949-1957 (Fresh Sounds)
- Sonny Criss
1.The First One
2.Calidad
3.Blues For Boppers
4.Tornado
5.Easy Living
6.Willow Weep For Me
7.Wailing For Joe
Sonny Criss (as)
Hampton Hawes (p)
Iggy Shevack (b) #1-4
Buddy Woodson (b) #5,7
Drums – Chuck Thompson (ds)
1949-1957年