ソウル・ピープル/ソニー・スティット&ブッカー・アーヴィン

   

アーヴィン贔屓

はい、もちろん、贔屓の引き倒しなことは、百も承知です。

もし、この企画の骨子がソニー・スティットとブッカー・アーヴィンの「バトル」だとしたら、いや、きっとそうなのだろうけど、テナー奏者同士の戦いなのであれば、そりゃもう、あなた、アーヴィンの圧勝でんがな。

ワザとか技術とか、そういった意味での勝負ではなく、あくまで土俵にそぐう音楽を展開したか、していないか、これが評価の基準。

だとしたら、ドン・パターソンのイナたいオルガンと、ビリー・ジェームスの野暮ったいリズムに、ビシッ!とフィットするのは、スティットではなく、断然、アーヴィン!

スティットは、もちろん、上手いんだけど、「どうだ、俺は上手いんだぜ!」「俺ってイケてるだろ?」な自己主張が鼻につくプレイが、このアルバムに限らず多く、そりゃまぁ、スゴいんだろうけどさ、なんか、そういうテクニックに絶大な自身を持っているところが、逆に小物っぷりを強調しているようで、キラい(笑)。

アーヴィンのような朴訥かつ、味わい深い「漢(おとこ)」を目指して頑張ります(笑)。

やっぱり、アーヴィンはいいです。わかってくれる人は少ないけど。特にスタン・ゲッツが好きな人には。ゲッツもいいけど、そりゃ、ゲッツもいいよ、ヒーローだよ、彼は完全無欠の。

ガンダムでいえば、性能的にも破綻のない、主役メカのガンダムでしょうよ。

でもね、ガンダムばかりに目を奪われていると、旧ザクやアッガイの味わい深さを忘れがちになってしまうキライがある。

「アッガイにも愛を!」

なんのこっちゃ。

記:2004/09/25

album data

SOUL PEOPLE (Prestige)
- Sonny Stitt & Booker Ervin

1.Soul People
2.Sonny's Book
3.C Jam Blues
4.I Can't Get Started/The Masquerade Is Over
5.Flyin' Home
6.Tune Up
7.There Will Never Be Another You

#1-5
Sonny Stitt (as)
Booker Ervin (ts)
Don Patterson (org)
Billy James (ds)
1964/08/25

#6
Sonny Stitt (as)
Don Patterson (org)
Grant Green (g)
Billy James (ds)
1969/09/15

#7
Don Patterson (org)
Vinnie Corrao (g)
Billy James (ds)
1966/08/05

 - ジャズ