戦車模型のエアブラスポンジ塗装法

テーマを決めて塗っている

戦車に限らずだけれども、プラモを塗る際は、毎回なにか一つテーマを決めている。

「今回は●●●をしてみよう」と決めてからキットを作り始めるのだ。

新しい塗装を実験してみたいがために押し入れの中のキットを選ぶことのほうが多いのはそのためだ。

もちろん新しい塗装方法のためではなく、単純にあまり使わない塗料の瓶を早くカラにしたいがために、あえて下塗りやメインの塗装に使い道の少ない塗料を混ぜてみたりすることもある。

そういう場合は、たとえば「よし、今回は蛍光オレンジを減らそう」とテーマを決めてから作る(塗る)キットを選ぶのだ。

以前作ったハンティングタイガー(ヤクト・ティーゲル)なんかは、まさに蛍光オレンジの在庫減らしのために、大量に下地塗料の中に蛍光オレンジを混ぜまくった作品だ。

>>タミヤ1/35 ハンティングタイガー(ヤークト・タイガー)制作記

それから、「筆を使わないドライブラシ」というものもできるのかどうか試してみたこともある。
つまり、エアブラシでドライブラシをするという、言葉の意味がよくわからん手法なんだけれども、ようするに戦車のリベットのモールドを浮き立たせるために、筆ではなくエアブラシを使うのだ。

通常、リベットなどの凸モールドは、塗料をふき取り、ほとんど乾いた状態の筆(ドライブラシ)でキットをさすると、モールドの凸の部分のテッペンに筆に残った塗料が付着して、良い具合に立体感が出るのだが、これをエアブラシでやったらどうなるのか? ただそれだけの目的のために作ったのが、97式チハだ。

>>赤備え!97式中戦車チハ制作記~タミヤ1/35

真田や井伊の「赤備え風」とコジつけてはいるが、要するに、メタリックレッドの上に、薄めまくったシルバーをエアブラシで吹くとどんな感じになるのか試してみたかっただけだ。

ちなみに、この方法は、やりすぎなければ、なかなか短時間でモールドを浮き立たせることができるので、シルバーではなくホワイトを使って時々用いる手法の一つとなっている。

少し前に作ったT-34/85なんかがそうで、これはモールドを浮き立たせるだけではなく、迷彩色同士を馴染ませる効果も発見することができた。

>>迷彩T-34/85制作記

上記実験例に限らず、他にもいろいろと試してはいるのだけれども、何らかの「塗り」の実験をしたくて、私はプラモを作っているようなものだ。
いや、塗っているようなものだ。

もちろん、目論見通りうまくいくなんてことは滅多にないけれど、

スポンジとエアブラシ

ところで最近は、エアブラシの平滑さと、スポンジ塗りの荒々しさを両立できないかなということに関心が向いている。

簡単にグラデーション塗装ができるエアブラシはたしかに便利なのだが、平滑すぎる塗面は、時としてノッペリとしたイラストのようになってしまう。

以前塗ったガンタンクなんかがまさにそうですね。

>>HGUCデザート仕様風ガンタンク制作記

これはこれで、完成した直後は嬉しいんだけれども、パンチがないので、飾っていてもすぐに飽きてしまう(そしてヤフオクに出品する)。

その一方で、塗料を吸収させたスポンジをプラスチックに叩きつけるように塗装すると、かなり荒々しい味を出せる。

作りかけのティエレン地上型ですね。

>>ティエレンを建機のように塗ってみる

しかし、メインの塗装をスポンジオンリーにしてしまうと、荒々しさは出せるのだが、何度も塗料を重ねていくうちに、塗膜がかなり厚くなり、場合によってはデコボコとした表面になってしまう。
おまけに塗料の減りも早い。

グラデーションをかけられ、なかつ塗装時間と塗料の減る量が筆塗り以上に節約することができるエアブラシの利点と、スポンジ塗装の乱暴さをうまく両立できないだろうかと試行錯誤して先日作ったのが、タミヤ1/48スケールのタイガーI極初期型だった。

画像だけではわかりにくいかもしれないが、実際近くで見ると、かなり色々な色が混在している。

下塗りをしたのちに、基本色はエアブラシ。その後、スポンジで、オレンジやらシルバーやらマホガニーをランダムに荒々しく叩きつける。

その上から、さらに明度を上げた基本色を吹く。
スポンジで塗装した荒い塗面を薄く覆い隠すように。

そしてまた、さらに上から薄めた基本色をエアブラシで吹く。

で、またまたスポンジで違う色を叩きつけ、やりすぎたところを薄めた塗料をエアブラシで修正していく。

こういう面倒な過程を繰り返した後に、エナメルやアクリルで部分塗装をして、最後は油彩でフィニッシュ。

手間はかかるけれども、どことなく「汚いけど綺麗」という矛盾する私が何となく求めているテイストに近づける方法なんじゃないかなと思っている。

そして、先日完成したII号戦車は、メインのカラーであるジャーマングレーよりも、マホガニー、焼鉄色、オレンジの面積のほうが多いんじゃないかと思うほど、激しくスポンジ塗装をしまくった。

もちろん、それを覆い隠すために、薄めた塗料を色を変えながら何度もエアブラシしてはいるが。

エアブラシの回数が増えるほど綺麗な仕上がりになってしまうし、スポンジ塗装した箇所を残せば残すほど汚い仕上がりになってしまう。

この両者の塩梅をどうコントロールしていくかが、今後の課題だ。

だから、もうしばらくこの方法を試してみようと考えているのだ。

最近使っているエアブラシ

ちなみに私がメインで使用しているエアブラシは、中国製の充電式エアブラシ【Soul Power】だ。
過去にいくつか試してはみたものの、これが一番使いやすい。
おまけに安い。

音はとても静かなので、深夜でも安心して使える。

さらに、コンプレッサーは、ハンドピースのボタンを押しているときだけしか作動しないことも嬉しい。

軽量なので持ち運びもラクなので、晴れた日はベランダに出て気軽に塗装することも出来る。

それにバッテリーの持ちも良いと思う。

私の場合は、一瞬さっと吹いて、また違う色を一瞬さっと吹いて……を繰り返す人なので、一回の塗装に使用する時間が短いということもあるのだけれど。

これ、エアブラシ入門者にうってつけだと思う。

今まで、ヴイーン!とデカい音で鳴らしっぱなしにしていたデカくてうるさいコンプレッサーのエアブラシは、いったいなんだったんだろうと思うほどです。

このエアブラシの利便性と機動力、そして泥遊びをする子どものような童心に帰れるスポンジ塗装。

この2つの塗装作業をうまく使い分けながら、納得のいく作品をどんどん作っていきたいと思っている。

記:2021/12/11

模型

Posted by