ストリング・フィーヴァー/チャック・ウェイン
2019/10/15
マイルドでマイペース
ジミー・レイニーに、ジョニー・スミス。
彼ら白人系ギタリストの表面的には滑らかで淡白ながらも、味わい深いギタリストの虜となっている貴方は、玄人好みの「通」だ。
彼らのしっとりと丁寧なギターワークは、いつでも、ウォームでふくよかだ。
最初はBGM的に耳を通り過ぎていくかもしれないが、一度、彼らの良さに目覚めてしまうと、なかなかハマる。
白人系のジャズギタリストは、地味で丁寧な人がどういうわけか多い。
チャック・ウエインもその一人だ。
ウディ・ハーマン楽団に一時期在籍したこともあり、ディジー・ガレスピー、サラ・ヴォーン、コールマン・ホーキンスのような大物との共演歴もある人だが、なにより有名なのは、ジョージ・シアリング・クインテットでの活躍だろう。
限りなくクリーンでナチュラルな音色で、モダンなフレーズを紡ぎだすチャック・ウェイン。
まるで淡々と会話をするような自然なプレイだ。
テクニックはかなりのものだが、これみよがしなプレイは一切なし。
いつだって、マイルドでマイペース。
そんな彼の人柄とサウンドが、木に寄りかかり、にこやかにとギターをつまびいているジャケットに見事にあらわれている。
深緑のジャケットだが、アクセント的に花の部分だけがピンクに彩られているのも楽しい。
センスの良いナチュラルでリラックスしたい気分のときは、まさに、チャック・ウェインのギターがお勧めだ。
どの曲も良いが、《ボディ・アンド・ソウル》や《ラヴァーマン》が良い。
ゆったりとした演奏に、夢心地な気分になること請け合いだ。
記:2009/10/30
album data
STRING FEVER (RCA Victor)
- Chuck Wayne
1.Lullaby In Rhythm
2.Embraceable You
3.Love For Sale
4.Along With Me
5.Carmel
6.Body And Soul
7.Snuggled On Your Shoulder
8.How About You
9.Lover Man
10.What A Difference A Day Makes
11.Rockabye Bay
Chuck Wayne (g)
Gene Quill (as)
Eddie Wasserman (ts)
Sam Marowitz (ts)
Sol Schlinger (ts)
Eddie Costa (p,vib)
Clyde Lombardi (b)
Sonny Igoe (ds)
1957/07/22-24