タイム・アウト/デイヴ・ブルーベック
ジョー・モレロのドラミングなくしては……
有名曲、《テイク・ファイブ》収録のアルバム。
メロディを聴けば、「ああ、あれね」と思い出す人も多いのでは?
という曲、一時期はCMにも使用されたし、いたるところでよく耳にするメロディなので、旋律だけでもご存知の方は多いと思う。
変拍子の曲を多く扱ったデイブ・ブルーベックの名作『タイム・アウト』。このアルバムは、ゴツゴツしたピアノと、流麗なアルトサックスの対比が聴きどころだ。
アルトサックスは、ポール・デスモンド。
軽やかでフワっとした音色が持ち味のベテランだ。
『タイム・アウト』というタイトルから想像されるとおり、このアルバムには、変拍子の曲が多い。
一般に我々に馴染みのある拍子というのは、「1・2・3・4」の4/4拍子、あるいは「ワルツ」のリズムの「1・2・3」の3拍子がほとんどだが、このアルバムには、もちろん4拍子の曲もあるが、それ以外の、あまり我々に馴染みのない拍子で演奏されている曲が多い。
しかし、流れるようなアルトサックスや、変拍子を巧みにスイングさせているドラムを聴くかぎりでは、複雑な演奏だとはなかなか思えない。
しかも、サラリと演奏しているので、気軽に楽しめる内容だと思う。
これら変拍子を苦もなく、当たり前のように叩いているジョー・モレロのドラミングはなかなかだと思う。
▼オススメ曲・1
《トルコ風ブルー・ロンド(Blue Rondo A La Turk)》
フワッと流れるような《テイク・ファイブ》とは対照的に、こちらは、かなりゴツゴツした印象を受ける曲。
変拍子で演奏されている箇所は、リズムがつんのめるような感じがして、なかなかスリリングだ。
曲の何カ所かに、4ビートのリラックスしたブルースが挿入されるが、このリズムがチェンジした瞬間の緊張のほぐれ具合が、なんとも至福のひとときだ。
▼オススメ曲・2
《テイク・ファイブ(Take Five)》
演奏時間は5分前後。
「5分休憩をとろう」と、「タイム(拍子)をアウトさせて5拍子の曲をやろうぜ」といった二重の意味が込められたタイトルのようだ。
お馴染みの「あの」メロディ。
ブルーベックのピアノは、ひたすらリフを反復するのみだが、ジョー・モレロのドラムソロは傾聴に値する。
そして、フワリと軽やかなデスモンドのアルトも聴きものだ。
記:2002/08/24
album data
TIME OUT (CBS)
- Dave Brubeck
1.Blue Rondo A La Tark
2.Strange Meadow Lark
3.Take Five
4.Three To Get Ready
5.Kathy's Waltz
6.Evweybody's Jumpin'
7.Pick Up Sticks
Dave Brubeck (p)
Paul Desmond (as)
Eugene Wright (b)
Joe Morrello (ds)
1959年07-08月