戦車風テイストのザク作り(塗装編)/HGUC シャア専用ザク(MS-06S ZAKUII)
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塗装前の下準備
HGUCのシャアザクの塗装に取り掛かりたいと思います。
まずはサーフェイサーを吹き付ける前に、下準備をしました。
背中や腰に、武器を接着剤でくっつけてしまいます。
いつもは、武器類は単体の状態で塗装をし、塗装が終わってから装備していたのですが、とにかくポロッポ~(ポロリと落ちる)が多いので、塗装後の塗膜に塗る接着剤の効き目の薄さを最近は実感しています。
ですので、今後の塗りわけ作業は面倒かもしれませんが、完成後のポロッポ~は興ざめなので、できるだけ丈夫なガンプラにしたいと思い、塗装前のプラスチック同士をピタリと接着することにしました。
手に持たせるマシンガンも同様に、接着してしまいました。
ガンプラが完成した数年後のポロリ度がもっとも高いのが、指のパーツがポロリ、手から銃器類がポロリなのです。
たしかに、指と武器は別な色で別々に塗装してから最終的にくっつけるほうが効率的なのですが、その語のポロッポ~度の高さを考えると、今回は実験的に接着してから塗ろうということにしました。
あとは、サーフェイサーの粒子がかからないよう、細長く切った紙で、頭部のモノアイの箇所をマスキングしました。
さて、この3つの下準備が終わったので、サフ吹き作業にはいりたいと思います。
黒&マホガニーのサフ吹き
分割した各パーツにサーフェイサーを吹きました。
今回は、黒とマホガニーのサーフェイサー。
最初に黒をざっくり吹いて20分ほど乾かし、その後に、マホガニーをプラスチックの地肌が出ているところを中心に吹き付けました。
一晩乾かし、あとはアクリル系塗料で「薄め重ね塗り」をしていきたいと思います。
ハルレッドを筆塗り
各パーツに溶剤で薄めたハルレッドを筆塗りしました。
今回の塗装は情景の巨匠、金子辰也氏の方法を参考に、いや真似させていただこうかと思っております。
ジオラマ(あるいはダイオラマ)の巨匠といえば、海外ではシェパード・ペイン氏にフランソワ・バーリンデン氏が私の中では真っ先に思い浮かびますが、日本におけるジオラマの巨匠は“ジオラマの王様”山田卓司氏、カンプグルッペジーベン代表の故・十川俊一郎氏、そして、私が大好きなシュガーベイブのアルバム『SONGS』のジャケットのデザインを手がけた金子辰也氏の3名が、私の中ではジャズでいえばセロニアス・モンクであり、デューク・エリントンであり、セシル・テイラー的な「巨匠」です。
その金子氏は、AFVモデルを塗装する際に用いている「秘伝のタレ」が、タミヤのアクリル塗料のハルレッド。
氏の「基礎からのプラモデル講座」の動画は、YouTubeで穴が開くほど何度も観たものです。
それこそ目を皿にして観た回数は「平田ガンス」に並ぶくらい。
それほど、平田ガンスとともに、私にとっては宝物のような映像なのです。
「平田ラッカー、金子アクリル」ってくらい、私の筆塗りライフに影響を与えています。
この動画で解説されている通り、ハルレッド→NATOブラック→もっと明るいグレー というような順番で塗り重ねていきたいと思います。
ハルレッドってなかなか味わいのある色ですね。
塗った瞬間はテカ~ッ!と光るのですが、少しするとサーッとツヤが引いていく。
その様をじーっと眺めているだけでも、すごく幸せな気分になれるのです。
ここ数年、プラモライフが復活してから、どうも1日の時間の流れが速いなと思いはじめているのですが、これで分かりました。
塗った塗料が乾いていく際の色の変化を、ぼんやりと眺めてばかりいるから、1日が早く過ぎていくんだ。
オレンジをランダム塗り
ハルレッドが乾いたら、そのままNATOブラックを乗せていけばいいものの、寄り道をしたくなりまして、アクリルのオレンジをランダムにペタペタと表面に置いていきました。
今後、塗り重ねていく過程でほとんど見えなくなってしまうのでしょうが、塗り忘れなどで、残ったオレンジがチラリと見えたりすると面白いかなと思ったのです。
完全に見えなくなってしまうかもしれませんが、なんとなくオレンジ色で遊んでみたかったので。
フラットブルーをランダム塗り
オレンジを塗った後、調子に乗って水で薄めたフラットブルーも、いたるところに筆でペタペタと乗せていきました。
なんだか複雑怪奇な色味になってきましたが、むしろ均等に一色で塗られた物体を見るよりも、このような無秩序怪奇物体のほうが、なんだか心が休まる私は、幼い頃からウルトラ怪獣が大好きだったからなのかもしれません。
NATOブラックを筆塗り
水でしゃばしゃばに薄めたNATOブラックを平筆で全体にサクッと塗りました。
高熱で焼かれた土細工のオブジェみたいな感じに見えなくもありません。
これから少しずつ明るいグレーを重ねていきたいと思います。
ジャーマングレイを筆塗り
今度は溶剤で薄めたジャーマングレイを平筆でスッと重ね塗りをしました。
全然グレーな感じがしませんな。
まだ、相変わらず下地の色のほうが強いです。
乾いたら、もう一段階明るい色を重ねるつもりですが、次第に下地の色も隠れてゆくことでしょう。
ダークシーグレーを筆塗り
ジャーマングレイが乾いたら、今度は溶剤で薄めたダークシーグレイを平筆でびしゃっと塗りました。
少しずつ組み立てながら、塗り重ねています。
ドイツのⅣ号戦車のような暗いグレーのザクにしたいと思っているのですが、色の明るさが想定していた色味よりも明るくなってしまいました。
しかし、今後フィルタリングをかけたりしているうちに、黒茶色っぽくなっていくでしょうから、現段階では、これくらい白っぽくても良いかなと思っています。
気分が変わったら、ホワイトオーガーのような白ザクにしても良いわけだし。
薄めたアクリル塗料の塗り重ね殺法(?)、なかなか楽しいですね。
水で薄めたフィールドブルーを流し込み
さらに少しずつ組み立てながら、塗装を繰り返しています。
今回は、水でビシャビショに薄めたフラットブルーを面相筆で窪んだ箇所に流し込みをしました。
だんだん白っぽくなってゆく過程で、と同時に、下地にちょこちょこ塗ったフィールドブルーがどんどん消えていくのを見ていたら「青が足りねぇ!」と思ったもので。
この青も、フィルタリングやスミ入れの際に見えなくなってしまうのでしょうが、気分の問題で、今はもう少し青が欲しいかなぁぐらいな感じです。
顔のマスキング剥がし
全体の色味のバランスをチェックしたくなり、各部位のパーツを組み立てました。
と同時に、モノアイのパーツの上を覆い被せていた紙もピンセットで除去しました。
度重なる重ね塗りで塗膜がかなり厚くなっていて、取るのに少々苦労しました。
グレーのボディに青いモノアイ。
ほぼイメージ通りの色に近づいてきました。
足裏の噴射口をクリアレッドで塗装
足の裏の噴射口をクリアレッドで塗装しました。
面相筆の先にたっぷりと塗料を含ませ、中心部に先っちょをポンと乗せれば、後は自動的に円の中をサラリと赤が拡がってくれます。
同じ要領で、マシンガンやバズーカの照準器もクリアレッドで塗装しました。
レッドブラウンで汚し
足回りや腰回りを中心に水で薄めたレッドブラウンを筆でビショビショ塗りました。
土埃汚れっぽい感じにはなりましたが、もう少しウェットな感じが欲しいかな。
オレンジ汚し
今度は、水でかなり薄めたアクリル塗料のオレンジを窪みや足もとを中心にサラサラ乗せていきました。
いや、サラサラ具合でいえば、エナメル塗料の溶剤のほうがサラサラしていますね。
それに比べると、水って、けっこう重たいというかネットリとしていますね。
同様にアクリル系の溶剤も、水ほどではないですが、エナメル系の溶剤や、ラッカー系の溶剤に比べるとボッテリとしている。
だから、エナメル系の場合はパーツの表面に筆を置くだけでツツーと流れていきますが、水で薄めたアクリル塗料の場合は、筆でゴシゴシと伸ばしていく必要があります。
そして、水たまりが出来たところから、スポンジやティッシュで拭き取っていくわけです。
手間はかかるけれども、楽しい作業ですね。
薄めたアクリル塗料を筆で伸ばして拭き取る作業は。
上面をスカイグレーで塗装
肩や胸など、上半身を中心に薄めたスカイグレーを筆でペタペタと塗り重ねました。
これまでに塗り重ねたジャーマングレー、ダークシーグレーなどのグレー系の色から一気に明るいグレーにジャンプしすぎた感じがします。
相対的にほとんど白に見えますね。
なんだか中途半端な冬季迷彩チックな感じも。
濃いグレーとスカイグレーの明度の差、ちょっとギャップあり過ぎなので、乾いたら中間色を塗り重ねて誤魔化します。
パープルを塗装
上面を中心に塗ったスカイグレーと、ダークシーグレーとの明度の差がかなり露骨だったので、この2つの色の橋渡し的な役割として、水で薄めたパープルをいたるところに筆塗りしてみました。
だいぶ落ち着いた感じにはなったかな?
ピンクが退色したようなボディカラーになってきました。
ダークシーグレーで微調整
薄めたパープルが乾いた後、少しムラサキムラサキしすぎているところを中心に、ダークシーグレーをペタペタ塗って色身が突出したところを微調整しました。
なんだか、筆の数を重ねれば重ねるほど、ボロッちくなっていきますな。
ステインブラウンでフィルタリング
ミスターカラーのステインブラウンでフィルタリングをかけました。
しまった! あまり溶剤で薄めないまま筆で塗りたくり、しかもすぐに拭き取らなかったため、チャバネゴキブリのような色になってしまった!
今まで、ちまちまと色々なアクリルカラーを塗り重ねてきた痕跡が台無しじゃぁ!
しかし、薄く塗り重ねたアクリル塗料が溶けたのか取れたのかは分かりませんが、下地に塗っておいたブルーが微妙にコンニチワを顔を出してきているのが、なんだか嬉しいですね。
囲碁で言えば、十数手前に置いておいた石が、今頃になって効き始めたときのような興奮?
囲碁はほとんどやったことがないから、よく分からないけど。
チャバネバ・チャバネバ
濃くフィルタリングし過ぎたパーツを組み立てたところで、いったん組み立てみたら、やっぱりチャバネゴキブリっぽいカラーですな。
チャバネバ・チャバネバー!と、ジューダス・プリーストの《フリーホイール・バーニング》みたいだぜ!などと言っている場合ではないのですが、さて、この後、どんな色をどうしていきましょうと思案中でございます。
まずは、フィルタリングの際に、ポロリと剥がれた塗膜が何箇所かあるので、そこのレタッチからはじめようと思います。
ジャーマングレイとダークシーグレーでレタッチ
フィルタリングの際にパラリと極々微量の塗膜が剥がれ落ちた箇所が数箇所あったので、面相筆の先っちょにジャーマングレーをつけて、チョンチョンとレタッチしました。
そしてその勢いで、ジャーマングレー、そしてダークシーグレーを、主に平べったい箇所を中心にドライブラシをかけました。
それでも、まだまだチャバネバチャバネバ。
さてさて、次は何をどうしよう。
フィルタ・リキッド バイオレットでフィルタリング
チャバネバな本体表面に変化をつけるため、Mr.ウェザリングカラーのフィルタ・リキッド バイオレットでフィルタリングをかけました。
今度は均一に表面に塗りつけるのではなく、薄めたものを平筆で面積の広い箇所を中心に置いていくように塗っていきました。
そして、塗ってしばらくしたら、サッとティッシュで拭き取り。
これを何度か繰り返しました。
拭き取る量にも変化をつけてみたのですが、あまり変わり映えはしませんでしたね。
もう少し色味に変化をつけたいところです。
薄く紫を乗せてみる
ボディの平坦なところを中心に、Mr.ウェザリングカラーのフィルタ・リキッド バイオレットを薄めて面相筆の先っちょにつけてチョンチョンと乗せていきました。
やり過ぎないぞ~、調子に乗らないぞ~と思いつつ、調子に乗ってこんな感じになっちゃいました。
ま、以前のチャバネゴキブリよりはマシかな?
ニュートラルグレイ乗せ
上半身を中心に、薄めたエナメル系のニュートラルグレイを筆でちょんちょんと乗せて伸ばしていきました。
かなり使い込まれた感じになってきましたね。
さらにボロっちくしていきたいと思います。
完成!
最後の仕上げに、タミヤのエナメル系塗料・バフを軽くドライブラシをして、戦車風に塗ったつもりのザク、完成しました。
やっぱり「普通ザク」は良いですね。
後姿です。
フクラハギの部分をはじめとして、下地に気まぐれに塗っておいた青が生き残っています。
色々な色を薄く塗り重ねる手法は、手数は多くなってしまいますが、思わぬ偶然にめぐりあえますね。
ところで、なんで戦車風なのかというと、要するに、戦車模型の大家・金子辰也氏の塗り方を真似たから、ってだけなんですけどね。
ハルレッドを下地に塗って、グレーの場合は、NATOブラックのように暗いグレーから少しずつ明るいグレーを塗り重ねていく方法が興味深かったので、試してみたのです。
結局のところ、私の手癖というか感性癖が無意識に働いてしまい、いつもと同じような作風。
どこが戦車やねん?って感じではありますが、そのへんは笑ってお許しを。
姉妹機のガルマ・ザビ専用ザクとともに。
パワーアップバージョンのアクトザクとともに。
アクトザクのほうが、ドイツ戦車っぽいですな。
後期生産型のザク2機に囲まれて。
いまさらながら、後期型は、頭小せぇ!
もはや別の機体なんじゃないかと思うほど。
紫電と紫電改以上の違い。
F4FワイルドキャットとF6Fヘルキャット以上の違い。
外見的には。
だから、もはやザクって名前じゃなくて別な機体名付けてもいいんじゃないかとも思うのですが、やはりタコ口&動力パイプの機体はザクッ!なんでしょうね。
頭の大きいほうのザクは、ガルマザクと今回のザクと2つ作りましたが、とても作りやすい上に、完成後の存在感、見栄えも良いので、もっと作ってみたいと思います。
記:2018/07/30