イメージズ/ケニー・バロン
新人起用!瑞々しいアンサンブル
もはや、ベテランの貫録を醸し出しているピアニスト、ケニー・バロン。
彼の安定したピアノはもとより、このアルバムでは、新人の女性フルート奏者とドラマーを従え、瑞々しくも、バランスとスリルを共存させたアンサンブルを展開している。
ベーシストは、ガッシリと強靭な屋台骨を構築する北川潔であることも見逃せない。
このアルバムでも、アンサンブルを根底から力強く支え、手堅いグルーヴを生み出している。
「北川ベース」、頼もしい!
ステフォン・ハリスとアン・ドラモンド
もちろんバロンのピアノも良いが、おそらくリーダーとしてアンサンブルのバランスもかなり意識をしているのだろう。
必要以上な音符を奏でないバロンのピアノは、他の楽器との共存と調和にも腐心しているかのように感じる。
だからこそ、私はこのアルバムの中では、ヴァイブとフルートのプレイに耳が吸い寄せられるのだろう。
ヴァイブラフォンのステフォン・ハリス(vib)の透明感あふれる演奏に、フルートのアン・ドラモンドの芯の太いフルート。
絶妙な音色のブレンド具合が良い。
キム・トンプソンのドラミングは、リズムキープ以上に、積極的にリズムフィギュアを生み出してゆこうという積極性とアイデアにあふれてはいるが、もう少し演奏をグルーヴさせるほうに心配りの比重を増やしたほうがいいのではないかとも思ってしまう瞬間も無くはないのだが、ま、こういうドラミングも、それはそれで悪くはない。
まだ数回しか聴いていないのだが、現段階では温かなミステリアスさを孕んだ《フットプリンツ》に魅力を感じている。
今後、聴くたびにじわじわと新たな魅力を発見することになりそうな予感。
album data
Images (Gitanes)
- Kenny Barron
1.So It Seems
2.Jasmine Flower
3.Inside Out
4.Lost Ones
5.Hallucinations
6.Song For Abdullah
7.Footprints
8.Marie Laveau
9.Miss Missy
10.Images
Kenny Barron (p)
Anne Drummond (fl)
Stefon Harris (vib)
Kiyoshi Kitagawa (b)
Kim Thompson (ds)
2003/10/07 & 08
記:2006/06/24
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