ジャズ本書き!やったぜ、終わったぜ、終わったぜ!『知識ゼロからのジャズ入門』
2019/09/03
ようやく脱稿!
夏あたりから、延々と、ジャズ本の原稿を書いているんですが、
えーと、そのジャズの本は、林家正蔵師匠との共著で、共著といっても正蔵師匠の原稿はおしゃべりのテープ起こしで、私のほうの原稿はテープ起こしじゃなく、テキストなんですが、そのテキストの部分をひたすらパコパコとパソコンに打ち込む毎日だったのですね。
ところが、最近は仕事がものすごく忙しくなってしまいまして、朝は7時出社、家に帰るのはいつも終電か、ヘタするとタクシー。それも夜中の3時だったりという生活が続いてしまいまして、原稿を書く時間どころか、ネットをチェックする時間すらもまったくなくなってしまっていたわけです(だからブログも書けなかった)。
締め切りの約束は、10月下旬。
ところが、とてもじゃないけど間に合わない。
だから、11月の中旬にまで延長してもらいまして、でも、気がつくと11月も中旬を過ぎてしまっているではないですか、オー・マイ・ガッ!
そこにやってきたのが3連休。
この3連休になんとかしないとヤバい!
危機感を感じた私は、この3連休中に残りの原稿をすべて終了することを誓ったのであります。
あと、10本ぐらいなんとかならぁ!
と思って、10本中の1本を書いて、編集者に、あと9本です!みたいなことを書いてメールしたらですねぇ、「あのぉ~、雲さん、ヴォーカル忘れてません?ヴォーカルの原稿も残ってるんですケド……。あとプラス7本」
きひゃぁ~、おいおいおい、残り9本にプラス7本、イコール16本ですか?
なんだかマラソンやってて、「よーし、ゴールまで残りあとわずかだ、スパートかけるぞ!」と思った矢先に、ゴールまでの距離が10km増えたような感覚を覚えましたよ。
しかし、やるしかない!
そんなわけで、金曜日は……、夜、飲む約束してたんで六本木で飲んで、まるで現実から逃避するようにガバガバ飲みまくって、次の店でも水のように酒をガバガバ飲んで、気付いてみたら、タクシーの中で玉砕していました……。
ダメじゃん。
走行中にもやたら細かくブレーキを踏む運ちゃんだったので、次第にアルコールがヘンな具合に体の中を駆け巡り、酔いと気持ち悪さが倍加し、家の前に着いてタクシーから降りたときは、そのー、なんというか、玄関までは、リングの貞子のように這って進んでました。匍匐前進というよりは、うーん、あの這い方は貞子だよな。
しかし、息子によると、あの這い方は、スピードさえつけば「テケテケだよ」っていうんですが。
あ、テケテケというのはですね、都市伝説というかお化けの一種でして、胴体を鉄道事故か何かで切断された女子高生の上半身のことです。
下半身の足がないので、手を使ってものすごい勢いで進むお化けだそうなんですが、オレはテケテケかよ!(笑)
ま、そんなことはどうでもいいのですが、貴重な3連休の初日を無駄にしてしまいまして、翌日の2日目は、二日酔い。アタマが痛くて、どうしても布団から出られず、水を飲みに行くときもテケテケスタイル。息子からは「あ、父上、テケテケだ!」と笑われる始末。
でも、なんだかなぁ。昔、茅ヶ崎出身の友人は、この類のお化けのことをテケテケではなく、「パタパタお化け」と呼んでいたような気がするんですが、このお化けの呼称には地域差とかってあるんでしょうか?
ま、そんなことはどうでもいいとして、せっかくの貴重な2日目の前半もバカな二日酔いで潰してしまった。
起きてしまったことは悔やんでも仕方がない。
残りの1.5日を有効に使うしかないんだ!ないんだ!ないんだ!とアナログディレイのつまみを思いっきり5時の方向に回したときのような残響音をアタマに響かせ、
執筆怪死!
じゃなくて、開始!
とにかくテーマになるジャズマンの音をiTunesでランダムに流しながら書きまくりました。
たとえば、セロニアス・モンクだったら、iTunesに「Thelonious Monk」と打ち込むと、700曲近く検索されるのですが、それをシャッフルして流すと、気持ちがモンクモードになるのですよ。
もっとも、モンクモードになったところでキーボードを叩く速度が速くなるのかというと、そうでもないんですけど……。
今回の原稿、とにかく字数が少ない中、要求される要素が多いのですよ。
まるで、帝国海軍から「実用高度 3,000m乃至5,000m 離着陸性能良好なること。離艦距離 合成風力10m/sにおいて70m以内/増槽併用の場合6時間以上飛行し得ること //必要により30kg爆弾2個携行し得ること」という「十二試艦上戦闘機(後の零戦)計画要求書」を突きつけられた、三菱や中島飛行機の技術者のような気持ちになりましたね。
というのは、もちろん誇張ですが……。
しかし、それでも、原稿用紙1枚にも満たない字数の中、「対象となるミュージシャンの特徴と聴きどころ、さらには代表的アルバムを2枚挙げ、その2枚は出来るだけ両極端なアルバムをセレクトし、かつその2枚の特徴や聴きどころ、そこから導き出されるミュージシャンの特徴を書きなさい」という要求なんですわ。
これは難しい。
字数が少ないゆえ、無駄な文字が1文字たりとも使えない。しかも、キチンと本質をつかみ、それに関しての記述をしなければならない。
アルバムのセレクション次第では、伝えたいことも伝えられなくなる……。
そういった、なかなかにハードルの高い要求に応えるためには、このブログに書いているような文字の垂れ流しは絶対に許されない。
だから、うーん、結構アタマ使うんですね。文字のパズルです。
普段そんなにアタマの使わない私なので、この作業は応えるのです。
どれぐらい応えるのかというと、そうですね、皆さんに軽く実感してもらいましょうか。
はい、セロニアス・モンクというジャズミュージシャンの特徴を述べた上に、彼を代表するアルバムを2枚セレクトし(リーダーアルバムじゃなくても可)、アルバムの内容も解説しなさい。375文字以内で。
あ、モンクじゃなくても、マイルス・デイヴィスでもコルトレーンでもいいですよ。
アルバム名は欄外に書くだけでいいです。つまり『セロニアス・ヒムセルフ』ならば、①でいいです。
欄外に
①=『セロニアス・ヒムセルフ』
②=『モンクス・ドリーム』
といった書き方でOK。
そうしないと、アルバム名で文字量が犠牲になっちゃうからね。
さあ、書いてみよう!(笑)
ちなみに、文字は、28文字を1行とした14行です。
改行した場合は、次の行から書き始めてもいいのですが、12行とか13行目で文章を終わらせてはいけません。必ず14行に差し掛かる状態で終わってください。
▼さあ、やってみよう(笑)
↓ここからスタート
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↑この行まで文字で埋める
出来ましたか?
お、なかなか面白い内容になってますねぇ(笑)。
なんだ、ボクじゃなくて、あなたに書いてもらえばよかった(笑)。
さらに、ここに記載できなかったプロフィールの原稿もあって、それは、240~250文字で書くわけです。
これで原稿の単位が1本とカウントされる。
そんなことを40回とか50回とか繰り返すわけですよ。
楽しいでしょ?(笑)
だから、外出好きな私ですが、珍しく昨日は一歩も家の外に出なかった。
一歩も外に出なかくても、生きていけるんだなぁという新鮮な発見がありました(笑)。
結構、外に出ない快感というのもあるのですね。引きこもりの気持ちがちょっとだけ分かったような分からないような。
で、睡眠も一応とりましたし、夕方から夜にかけてはドラマもアニメもみましたし、夕飯は鍋を時間かけて喰ったりもしたので、原稿執筆だけに時間を費やしたというわけでは決してないのですが、それでも、随分と集中して書いたなぁ。
ついさっき、担当編集者のところに、最後の原稿をお送りして、やったぜー!とコーヒーを飲んだところです。
送った原稿の数を数えてみると、1日ちょっとの間に、じつに15本! オレってやれば出来るんじゃん!と自分をほめてあげたい気分ですが、出来るんだったら最初から締め切り守れ!って声も聞こえてきそうです(涙)。
あとは、数ページ分、図表のラフを作成したりなど、細かい作業は残ってはいますが、おおかた自分の役割は終了した手ごたえを感じています。
あとは、イラストが入り、正蔵師匠のコメントが合体した状態のゲラが送られてきて、それに赤入れをして……の繰り返し。発売は年末の予定だったけれども、きっと年越すだろうなぁ(笑)。
『知識ゼロからのジャズ入門』というタイトル(仮題)でして、幻冬舎から出る予定です。
CDもついたおトク版だよ。
出たらみんな買おうな!(笑)
コーヒー飲みながら一息、原稿終わったら聴こうと決めていたドドの《メロウ・ムード》が旨い!!
記:2007/11/25
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