ウェス・モンゴメリー連続聴き
久々に、ウェス・モンゴメリーの連聴きをしました。
『ソー・マッチ・ギター』に始まり、初期の『ウェス・モンゴメリー・トリオ』、それから『夢のカリフォルニア』、そして締めは、やっぱり『フルハウス』。
たまには、たっぷりウェスにひたるのもいいね。
ウェスが親指で奏でるコクのあるマイルドなギターを聴いていると、もうそれだけで頭蓋骨の中の脳味噌がいくぶんか柔らかくなっていくかのような錯覚を覚えます。
そして、下半身は自然にゆらゆら(それほど大きな揺れではなく)。
ものすごいテクニックなのに、あの破綻のない安定感はいったいなんなのだろう?
個人的には、彼の音源は、初期になればなるほど好きなんだけど、でも、究極のところ、ウェスのギターが聴ければ、べつにバックがオーケストラだろうがコンボ編成だろうが、どっちでもいいやって気分にもなるんですよね。
音色もスタイルも、デビュー前からすでに完成されており、それ以降も大きな変化を遂げていないですし、いや、遂げる必要がなかった人ですから、一貫したスタイルのギターを楽しめるのです。
あとは、バックの人選やアレンジ、演奏内容によって好みが分かれてくるということでしょう。
『フルハウス』がやっぱりいいなって思うのは、それはバックのリズムセクションがマイルスが擁していたリズム隊ということが大きいです。
チェンバース、コブ、ケリーね。
この3人だけでもご機嫌なピアノトリオが出来ちゃうんですが、そして、これにウェスが加われば『ハーフノート』のライヴ盤になっちゃうんですが、『フルハウス』の場合は、さらにエネルギッシュなグリフィンも加わっちゃっているものだから、ある意味、奇跡的な組み合わせによる奇跡的な名演といっても過言ではないのかもしれません。
ただ、あまりにも凄い演奏なので、初めてウェスを聴こうとする初心者にはオススメしたくないのも本当のところ。
頂点を最初に味わっちゃうと、その後に聴く音源は、どうしても頂点の内容と比較しちゃいますからね。
できれば、ある意味ショボさが魅力の『ウェス・モンゴメリー・トリオ』あたりから入門するとイイんじゃないかな、なんて思っています。
記:2012/08/23